2025/05/23
経営不振に陥っている日産自動車は、国内外で1万人を追加で削減する方針を固めた。これまでに9千人の削減を明らかにしており、リストラ対象は合計で社員全体の15%に当たる約2万人となる。近く発表する見通しだ。
日産は25年3月期決算の純損益が最大7500億円の赤字を見込んでおり、同社の赤字額としては過去最大となる見通しだ。昨年11月には、国内外で9千人と生産能力2割を削減すると発表していた。
関係者によると、4月1日に発足したイバン・エスピノーサ社長による新体制で再建計画を精査した結果、さらなる人員削減が必要だと判断したという。
(朝日新聞デジタル 5月12日)
日産自動車の2024年度通期の連結売上高は12兆6,332億円、連結営業利益は698億円、売上高営業利益率は0.6%で、当期純損失は6709億円(前年は4266億円の黒字)、自動車事業のフリーキャッシュフローと同営業利益はそれぞれ通期で赤字となった。
決算と同時に日産は経営再建計画「Re:Nissan」を発表した。骨子は①26年度までに自動車事業の営業利益およびフリーキャッシュフローの黒字化②固定費と変動費の24年度実績比で計5000億円のコストを削減③人員を2万人削減し、車両生産工場を17工場から10工場へ削減。閉鎖する工場には国内工場も含まれる。
人員削減は、24年度から27年度にかけて、グローバルに生産部門、一般管理部門、R&D部門の直接員、間接員、契約社員を対象に進めてゆく計画だ。
「Re:Nissan」について、イヴァン・エスピノーサ社長はこう述べている。
「日産は直面する2024年度の厳しい業績、変動費の上昇、不透明な市場環境に対応するため迅速に自己改善を行ない、より販売台数に依存しない収益性をめざす。新しい経営陣は目標を慎重に再評価し、確実に業績を回復させるためのあらゆる機会を積極的に検討している。Re:Nissanはコスト削減、戦略の再定義、パートナーシップの強化を柱とした現実的な実行計画である」
ホンダの傘下に収まるぐらいなら受難の道を選ぼうと覚悟したのだろうが、経済産業省はどんな再生シナリオを考えているのだろうか。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。