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マツダ、希望退職500名を募集

マツダは、従業員の自律的なキャリア形成を支援する新たな人事制度の一つとして、「セカンドキャリア支援制度」を導入します。マツダは、未来を切り開いていくための最も重要な資本は人であると考え、従業員一人ひとりが活躍できる組織風土への変革と、その中で前向きに挑戦し成長できる環境の整備を推進している。
その一環として、従業員がこれまでの経験や専門性を活かしながら、自らの意志で自律的にキャリアを描き実現することの後押しを進めている。今回導入するセカンドキャリア支援制度では、マツダで積み重ねたスキルや経験を活かし、社外や地域社会での活躍・貢献を目指す従業員の、前向きな選択を支援する。
対象者は、社外での活躍・貢献を目指す勤続年数5年以上かつ50~61歳(定年後再雇用前)の間接正社員。募集人数は500名。申請期間 2025~2026年の6月、12月(最大計4回)。支援内容は、再就職の支援、引越し支援、割増退職金
(マツダ作成ニュースリリース 4月22日)

 このタイミングで、自動車業界で希望退職の募集が実施されると、トランプ関税による業績悪化を見据えた先行的な合理化対策と見られてもやむを得ない。
マツダの2024年4~12月期連結業績は、売上高は前年同期比3%増の3兆6894億円と過去最高だったが、インセンティブの上昇を要因に、営業利益は同26%減の1483億円、最終利益は同45%減の906億円と大幅減益に落ち込んだ。そこにトランプ関税が襲来してくる。
マツダが希望退職者を募集する真意はわからない。「マツダで積み重ねたスキルや経験を活かし、社外や地域社会での活躍・貢献を目指す従業員の、前向きな選択を支援する」という趣旨で、「社外での活躍・貢献を目指す」社員を対象にしていることは、その通りであればすばらしい。
ただ、対象は勤続年数5年以上かつ50~61歳である。定年退職を控えた年代だから、人件費の重い層を削減して、コストダウンを図るのだろうと受け止める社員も多いのではないだろうか。会社の思惑通りに応募者が集まるかどうかは、割増退職金の金額次第だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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