2025/04/29
政府は、バブル崩壊で就職難となった「就職氷河期世代」への新たな支援策の方向性を、6月をめどに取りまとめる方針を固めた。老後資金の不安や貯蓄の少なさが指摘される氷河期世代の高齢化を見据えた家計改善や資産形成、住宅確保の支援が目玉になる。25日に関係閣僚会議を開いて具体策の検討に着手し、令和8年度予算案の編成に向けた経済財政運営指針「骨太の方針」に盛り込む。19日、複数の政府関係者が明らかにした。
石破茂首相は同日、東京都内で就労支援施設と、育児と仕事の両立支援の取り組みが進む民間企業を視察し、関係者との車座対話などを行った。視察後、首相は記者団に「就職氷河期や就労に不安を抱えている方々を支援するために関係閣僚会議を設置する。政府として有効に支援していきたい」と述べた。
政府関係者によると、関係閣僚会議は首相を議長とし、林芳正官房長官や三原じゅん子共生社会担当相、福岡資麿厚生労働相が副議長を務める。 氷河期世代の高齢化に備えた支援のほか、従来も取り組んでいる賃金上昇のためのリスキリング(学び直し)といった就労・処遇改善や、社会参加に向けた支援策の拡充を図る。
(産経新聞 4月19日)
就職氷河期世代は1974~83 年生まれで、今年42~51歳を迎える。企業ではリストラ対象年代である。黒字リストラがごく当たり前に実施される時代に、非正規雇用のままこの年代を迎えた人が、いまさら正社員に移行することは至難ではないのか。
ところが、2023年度に全国のハローワークの支援で正社員として就職した氷河期世代が約12万6000人に達したという。ハローワークは中高年専門窓口を開設して①中高年層(ミドルシニア)向けセミナー開催② 応募書類の作成支援や面接指導③本人に合った求人の紹介④就職後の定着支援――などのサービスを提供している。
このサービスを利用した例には、大学中退後、20年以上新聞配達員としてアルバイト勤務をつづけた人がいる。アルバイト先の待遇悪化などから転職を決意して、求人サイト経由で数十社に応募したが、すべて不採用に終わった。
前職では臨機応変に対応できず苦労した経験から、正社員求人へ応募することに不安を感じていたという。そこでハローワークの中高年専門窓口のサポートを受けたところ、次々に3社の内定が決まり、東証一部上場企業のグループ企業に事務職で採用された。
ハローワークは人材紹介会社と違い、手数料を目当てに求人スペックに合わない候補まで紹介する必要はないだけに、人材の選定が企業に信頼されているのだろうか。
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