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兵庫県、新規採用の4割超辞退 斎藤知事のパワハラ疑惑影響か

兵庫県は9日、今年度新規採用した総合事務職(大卒程度)の職員150人のうち、69人が辞退し、辞退率が46.0%に上ったことを明らかにした。
 昨年度新規採用職員の辞退率は25.5%。採用方式が異なるため単純な比較はできないが、20ポイント以上の大幅増で、斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑などが影響したとみられる。  これに関し、斎藤氏は同日の定例記者会見で「県政を進めるのが大事。一緒に働くための職場をしっかりつくる」と述べるにとどめた。  
人事課によると、今年度採用分の筆記試験では、民間などで使われる適性検査を新たに導入した。通常より前倒しで選考し、昨年6月中旬に「最終合格者」として60人に通知したが、うち35人が辞退。通常枠では合格した90人中、34人が辞退した。担当者は「早めに合格者を出したため、一定数が他の自治体などに流れることは想定していた」としつつ、原因は「分からない」としている。
(時事通信 4月9日)

外部から見れば兵庫県庁は伏魔殿のようだ。斎藤元彦知事を巡る諸問題について、議員や職員に対する攻撃も収拾がつかない様子で、職員として就職すれば、いつターゲットにされ、火の粉が飛んでくるかわからない。そんなイメージさえある。
斎藤知事が第三者委員会の報告内容を受け入れない限り、たぶん混乱はつづき、庁内は恐怖や不信感が充満して、真っ当な職場環境で働けないのではないだろうか。新規採用者がそう危惧して入庁を辞退するのはやむを得ない。
それでも初志を貫徹して入庁した職員に対しては、不安なく働けるよう環境を提供しなければならない。そのためには知事みずから各人の職場に足を運んで声がけをするとか、定期的に面談をするなど、対面の機会を積極的に設けることが必要だ。向き合うことである。県庁という巨大組織を運営する多忙な知事職に、そんな時間を確保できないという事情はあろうが、いまは非常事態である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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