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冬ボーナス41.3万円 5人以上の事業所 24年2.5%増

厚生労働省が7日に発表した2024年冬季賞与の集計によると、支給した事業所の1人あたりの平均額は41万3277円となり、前年から2.5%増えた。金額は08年以来、16年ぶりの高水準となった。飲食サービス業など人手不足の業種で伸びが目立った。
5人以上の事業所の24年11月~25年1月の支給実績を調べた。賞与を支給した事業所の割合は全体の77.8%に上り、前年から8.8ポイント伸びた。01年冬以来の高さとなった。
30人以上の事業所に限定すると、賞与を出した事業祖の割合は92・6%に達し、前年から1・4ポイント上がった。
冬季賞与の伸び率を産業別に見ると、人手不足の業種で大きい。飲食サービス業が前年比で12・1%増えたほか、生活関連サービス業が9・4%、医療・福祉が8・8%、建設業が8・0%伸びた。製造業も5・6%上がった。
人材を獲得し、つなぎとめるためには賞与を引き上げるなど社内外へのアピールが欠かせなくなっている。
引き上げの背景には業績の改善もある。電気・ガス業は前年から13・5%増えて94万3474円だった。金額は業種でトップとなった。
(日本経済新聞 4月8日)

 2024年の冬のボーナス支給は全体では前年比で増加したが、やはり企業間格差が顕著に現われた。経団連が発表した大手企業の平均額は前年比2%以上増加と、増加率は厚生労働省が調査した全体平均と変わらないが、金額が全体平均の2倍を超える92万5500円超。
2年連続で90万円を上回った。
 また、地方企業の支給額は全体平均よりも低い。北九州商工会議所が市内800社を対象に調査したところ(回答497社)、冬季賞与を支給すると回答した企業は450社で全体の90.5%(前年度比0.5ポイント減)。前年度と比較可能な389社の平均支給額は45万6705円で前年度より1万9051円増(4.4%増)だった。
 福井商工会議所が行った会員企業249社を対象に実施した調査では、平均支給額は43万1095円。前年度比1万8646円増だった。249社のうち112社は従業員数20人以下(一部5人以下)の企業という。
 中小企業や小規模企業にとって、今年4月の賃上げ、夏のボーナスを経て、冬のボーナスも昨年よりも多く支給なければ人材確保は一層厳しくなる。それまでに業績がそう推移してゆくのか。当面の景気動向は、トランプショックがトランプ不況にまで悪化するかどうかが焦点である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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