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KADOKAWA、産育休・介護休フォローの同僚に月2万円

KADOKAWAは4月1日、産休・育休・介護休を取得した従業員の同僚に対して、一律で月2万円の手当を支給する新制度を導入した。「育児・介護と仕事の両立を応援する風土を促進する」(同社)という。
 新制度の正式名称は「産育休・介護休フォロー手当」。連続28日以上の産休・育休・介護休を取得した従業員が所属する部署の同僚に対し、一律で月2万円を支給する。KADOKAWA正社員のほか、契約社員・嘱託社員・継続雇用契約社員・出向受入社員が支給の対象となる。  
同社はこれまでも産休・育休・介護休の取得を奨励しており、「今後も育児休業取得率は上昇していくことが想定される」との見立てを示している。これに伴い、休職者に代わって業務をフォローする従業員の負担増も予想されることから、こうした同僚の貢献に報いるために同制度を導入したとしている。
(ITmedia NEWS 4月2日)

KADOKAWAは社員の生活に配慮した制度をいくつか運営している。「介護休暇・介護休業」は、要介護状態にある家族を介護する従業員が、対象家族の人数に応じて年間5~10日の休暇を取得できるほか、時短勤務などの利用、介護休業の取得などができる。「子どもの看護休暇」は、小学校卒業までの子どもを持つ従業員に対して、子どもの人数に応じて年間5~10日の休暇を付与する。
 さらに「ケアサポート休暇」として、本人の傷病入院、介護、ボランティア、家族の傷病通院・入院の看病を目的に、期限切れとなった年次有給休暇の残存休暇から、年5日を限度(積立限度日数は20日)として休暇が取得できる。
勤務場所も柔軟に選択できる。業務内容やライフスタイルに合わせて働く場所を選択できる「ワークプレイスチョイス(就業場所の選択制度)」の導入によって、リモートワーク活用率は社員全体の72.8%。この取り組みによって、男性育児休業取得率は全国平均を上回る53.9%、育児休業後の復職率は100%を達成しているという。
 産休・育休・介護休を取得した従業員の同僚が業務をカバーする現状を「お互い様」と看過しないで、一律で月2万円の手当を支給する制度の導入にも、配慮の一端がうかがえる。職場に温もりが生まれるのはないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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