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都知事、ローソン社長らと女性活躍巡り懇談

東京都の小池百合子知事は20日、ローソンの竹増貞信社長と法政大学の田中優子名誉教授らと女性登用の拡大や男性の働き方改革について都庁で懇談した。都の女性活躍を推進する事業「女性が輝くTOKYO懇話会」の一環。
ローソンは2030年度に女性管理職比率を3割とする目標を掲げており、竹増社長は「制度と人材登用する側の認識が重要だ。たとえば幹部には後任候補のうち1人は女性を挙げてもらうようにしている」と話した。
小池氏は「国家の戦略として女性が活躍するルワンダは、アフリカの奇跡と言われるくらい発展している。価値観が多様化する中で、意思決定する立場の人が女性活躍を推進することが全体としてもプラスになるのでは」と述べた。
男性の働き方改革について、田中名誉教授は「まだまだ進んでいない。業務効率を上げて部下が育児と仕事を両立できるよう配慮し、自身も仕事とプライベートを充実させている上司を育てていく必要がある」と指摘した。
(日本経済新聞 5月21日)

女性活躍に向けた法整備が進んでいる。女性活躍推進法は、常時雇用の従業員数が301人以上の企業に対して①自社の女性の活躍に関する状況を把握し、課題を分析すること②状況把握、課題分析を踏まえた行動計画を策定、社内周知、公表すること③都道府県労働局に一般事業主行動計画策定・変更届を届出すること④女性の活躍に関する情報を公表すること(年に1回以上データを更新すること)―を規定している。
今年4月1日には、女性活躍推進法が改正され、常時雇用の従業員数101人以上の企業にまで拡大された。中小企業にも縛りがかけられたのである。
さらに5月23日、金融庁の金融審議会は、女性管理職の比率や男女間の賃金格差などの指標の情報公開を、約4000社の上場企業に義務付けることを明記した報告書案を了承した。  
資本市場でも、女性管理職の比率が企業価値を評価する指標になる。女性管理職の比率は女性採用にも影響し、ほどなく“女性管理職格差”は業績を左右していく。職場環境の抜本的な整備が問われている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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