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「MR、まだ多い」…。転機の製薬業界、人員削減続く

20181119

製薬業界で従業員の削減や再配置を実行・検討する動きが依然として続いている。薬価引き下げや後発医薬品の普及、営業関連の規制強化といった環境変化が背景にある。各社は単に人員構成を変えるだけでなく、成長が期待できる事業領域をどう伸ばすかが問われる。一方で、製薬企業の行ってきた業務を受託するビジネスが伸びる可能性もありそうだ。
「影響しないようにしていく」。大正製薬ホールディングス(HD)の北谷脩執行役員は、早期退職の実施に伴う人員減が現在の事業に影響しないかと問われてこう答えた。
同社は7月に創業以来初の早期退職を募集し、グループ従業員の約15%に当たる948人が応募。この数が予想通りだったかについて北谷執行役員は「想定人数は明確に決めていなかった」と話すが、短期的には人員の配置に悩む場面が出る可能性も考えられる。 加えて、中長期の成長に必要な人材をどう確保・育成するかも問われる。同社は一般用医薬品などを扱うセルフメディケーション事業で主力のドリンク剤「リポビタン」が苦戦。医療用医薬品事業は業界共通の課題でもある薬価引き下げや後発品の浸透に伴う収益性悪化に悩まされている。
(ニュースイッチ 11月11日)

ひと昔前までは、大手製薬メーカーに50歳前後まで勤務して多額の退職金を得てから、外資系製薬メーカーに転職して60歳まで勤務し、高給を得ながら60歳定年で相応の退職金を得るというキャリアが用意されていた。だが、これは古き良き時代のキャリア形成になった。
一方、製薬メーカーや医療機械メーカーの病院への営業方法は、昔ほどではないが、依然として貢物文化が継承されている。ある病院勤務医師はこう語る。
「うちの病院でも、ほかの病院でも、駐車場で弁当屋さんが製薬メーカーのMRに駆け寄る光景をよく見かけます。MRに聞いたら、MRが医師や薬剤師を集めて定期的に開く新薬説明会の手土産に持参してくる弁当の売り込みでした。昔のような派手な接待はなくなりましたが、それでも毎回、高額な弁当を持参してきます。根本は変わっていませんね」
医療機械メーカーの場合、同業者間の取り決めで医療機関への手土産は税込み3000円以下に設定されているという。取り決めをせざるを得ないほど、節度を欠いた行為が常態化していたのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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