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浮上する「70歳定年制」人手不足に対応

政府は15日の臨時閣議で、2018年の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)や成長戦略を決めた。焦点となったのが人手不足への対応策だ。外国人労働者の受け入れ拡大とともに、もう一つ目を付けたのが65歳を超えても健康な高齢者。働く意欲をそぐ年金の仕組みを見直し、長く働く人を増やして人手不足を補う。骨太に打たれた高齢者活用の布石を読むと、「70歳定年制」が視野に入る。
今の安倍政権が12年末に発足してから6回目となった今回の骨太の方針。首相の意向として1つの文言が盛り込まれた。「65歳以上を一律に高齢者と見るのは、もはや現実的でない」
(日本経済新聞 6月16日)

総務省の調査によると、65歳以上の非就業者は2013年度に2551万人だったが、17年度には143万人増えて2694万人。この層をどれだけ就業させるかに政府は腐心し、厚生年金の支払い開始年齢を引き上げて、現役年齢層の拡大を考えている。

70歳定年制が敷かれれば、嘱託などで75歳まで働くことが当たり前になり、健康寿命があるうちは働きつづけるライフスタイルが定着するのか。世間のムードは生涯現役を促す方向に流れているから、たぶん自在に動けなくなるまで働きつづけることが一般的になるのだろう。
平日を図書館で過ごしたり、コーヒーショップでくつろいだりしている人は落人とみなされるようになるかもしれないが、勤労人生から離れるかどうかは本人次第である。政府の方針に従ってライフスタイルを設計する必要などない。

今後ますます有識者たちが生涯現役を促すメッセージを流すだろうが、必要がなければ聞き流せばよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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