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長時間労働と成果は連動しない

――いい仕事をするには長時間のハードワークが必要との声も根強い。

「セブンイレブンの成長が続くのは、何がどのように売れているか常に触角を働かせて変化に対応し続けてきたからだ。長時間労働ではない。店が商品を絞り込んで成功したように個人の仕事の範囲もきちっと制限すべきだ。忙殺されてはいい仕事はできない。残業と成果も連動しない。私も午後5時30分の就業時間に率先して帰る」

――ベンチャーなど成長期の企業はどうしても人に負荷がかかる。

「全面的に否定するわけではないが、それでは続かない。創業者が『俺はむかし長時間働いてきたのだからお前らもやれ』というのは一番いけない。会社の規模が拡大した後に入った社員が、創業当時のメンバーと同じ気持ちになれるわけではない。創業時は1人当たり月100時間だった残業が、今は10時間に縮まったという方が逆にやりがいを感じる時代だ」

(日経新聞 - 鈴木セブン&アイHD会長)

上場したベンチャー企業は、大企業病を警戒してベンチャー精神の堅持を社員に呼びかけるものだ。それ自体は健全な行為だが、ベンチャー精神は、ともすると長時間労働の強要に暴走しがちである。
しかし、社員はベンチャー企業に入社したのでなく、上場企業に入社したのである。長時間労働を振り返る経営陣の回顧談は、茶飲み話としてはよいが、組織風土に反映させるのはいただけない。
創業時に長時間労働をこなすのは当たり前だ。それは、みずから選んだ就労形態なのだから、のちに自慢げに語るべきではない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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