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公務員ボーナス引き下げへ 10年ぶり、7日にも勧告 人事院

人事院は1日、2020年の国家公務員給与改定勧告で、ボーナス(期末・勤勉手当)を10年以来10年ぶりに引き下げる方針を固めた。  

基準となる民間企業の給与実態調査で、民間のボーナスが公務員を下回る見通しのため。勧告日は7日を軸に最終調整している。  

人事院は毎年、民間と公務員の給与水準を比較し、両者の差を埋めるよう国会と内閣に勧告している。ボーナスの支給月数に差があれば、0.05カ月単位で改定を求める。19年の公務員の支給月数は年4.50カ月だったため、20年は年4.45カ月以下に改定される。  

今年の勧告は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で給与実態調査が例年より遅れたことを踏まえ、月給に先立ち、ボーナスのみ先行して実施する。今後、法改正作業が間に合えば、12月支給分に引き下げが反映される。(時事通信 10月2日)

東日本大震災の後も民間企業の給与ダウンを受けて、国家公務員のボーナスが引き下げられた。天変地異が発生すると、国家公務員はそれこそ寝食を忘れて働く。その実態を見聞きすると、あえてボーナスを引き下げなくともよいのにと思うが、民間企業とのバランスを図るためにはやむをえない。

民間企業とのバランスを図る意味では、長時間労働の是正も喫緊の課題だろう。

政府が実施した国家公務員の働き方の改善状況に関するアンケートの調査結果によると、現在の省庁出の勤務を「数年以内に辞めたい」と考えている割合は5.5%。この数字はとくに目を引かないが、30歳未満の男性職員に限ってみれば14.7%に上った。

辞めたい理由でもっとも多かったのは「長時間労働で仕事と家庭の両立が難しい」といった理由が多かった。文字どおりの滅私奉公からの解放を望んでいる。

業務のデジタル化を進めたところで、業務体系から見直さない限り、長時間労働は抜本的に是正されない。河野太郎行政改革担当相はどこまで切り込めるだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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