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日本の働き手、管理職に「魅力を感じる」はわずか8%

世論調査会社イプソス(日本オフィス・東京都港区)は、日本を含む世界32カ国の就業者1万3586人を対象に、働き方や職場に関する意識調査を実施し、「職場の現実 2026」を公開した。
日本では、自社の今後の方向性に自信を持つ人は、日本では28%だった。これは32か国中で最も低い割合で、世界平均(49%)を21ポイント下回っている。上位は南アフリカ(78%)、インド(74%)、フィリピン(62%)で、日本に次いで低かったのはアルゼンチン(32%)、韓国(32%)だった。
 自社を職場として勧めると答えた人は29%で、こちらも32か国中最下位でした。世界平均(48%)を19ポイント下回り、ポーランド(31%)、ハンガリー(34%)が続く。
部下を持たない就業者のうち、管理職に「魅力を感じる」と答えた人は日本で8%にとどまり、「魅力を感じない」(55%)を47ポイント下回った。世界平均(魅力を感じる26%、感じない38%)のほか、スウェーデン(12%対63%)、カナダ(15%対51%)、ドイツ(16%対47%)と比べても低い水準である。
(イプソス作成ニュースリリースを要約 10月22日)

イプソスの「職場の現実 2026」によると、自社の今後の方向性に自信を持つ日本の就業者は28%で、32カ国中最も低かった。自社を職場として勧める人も29%と最下位である。さらに、部下を持たない就業者で管理職に魅力を感じる人は8%にとどまり、魅力を感じない人の55%を大きく下回った。
これらの数字が示すのは、たんに働き手が悲観的だということではない。会社の未来を信じ、そこで働くことを勧め、管理職を目指すことが難しいという、職場への信頼と期待の弱さである。
自社の将来に自信がなければ、仕事に力を注いでも、その努力がどこへ向かうのか見通しにくい。職場を勧められない背景には、賃金や労働時間に加え、成長機会や意見の尊重など、日々の経験もあるのだろう。ただし、この調査だけで理由までは特定できない。だからこそ、数字を社員の意欲の問題として片づけず、職場の実態を確かめる手がかりにする必要がある。
管理職に魅力を感じる人が8%という結果も重い。責任に見合う裁量や処遇、支援があるのか。昇進が成長の機会ではなく、負担の増加として映っていないか。管理職を志す人が少ないことを、働き手の意欲不足とみなせば、問いを取り違える。
人を前向きにするのは「希望を持て」と促す言葉ではない。会社が進む方向を示し、働く人が自分の仕事の意味を見いだせる環境をつくることだ。職場への信頼は、理念を掲げただけでは生まれない。日々の仕事のなかで、自分の働きが誰かに届き、会社の未来につながっていると感じられる。そうした実感の積み重ねが、いつか職場への見方を変えていくのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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