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地域間賃金、格差15万円超 賃上げ「東京集中」鮮明に

2025年の月額賃金の平均について、1位・東京都と最も低かった地域の差が、現在の推計方法に変更された20年以降で初めて15万円を超えた。連合の春闘集計で賃上げ率が高水準の5%台となった24、25年で一気に差が開いており、賃上げの「東京集中」が鮮明になった形だ。格差は比較可能な07~25年で見ても最大となった。厚生労働省の賃金構造基本統計調査の分析で分かった。
 厚労省の担当者は「都市部への大企業の集中が地域間格差に反映された可能性がある」と話す。賃金の低い地域からの人口流出を懸念する声は根強く、是正に向け、政府による対策が急務だ。  
調査によると、25年の東京都の月額賃金は平均41万8300円。最も低かった青森県は26万3900円で差は15万4400円で、2番目に低かった宮崎県は、差が15万円あった。  
次いで14万円台の差が開いたのは山形、岩手、秋田、沖縄。  
最も高い東京都と、各年の最も低い地域との差に注目して分析すると、21年や23年は12万円弱だったが、24年に差が14万円超に開いた。
(共同通信 6月28日)

厚生労働省の賃金構造基本統計調査が示す2025年の月額賃金平均は、東京都41万8300円に対し、最低の青森県は26万3900円、その差15万4400円。推計方法を変更した20年以降で初めて15万円の壁を超え、比較可能な2007年以来の最大格差となった。
宮崎県との差も15万円、山形・岩手・秋田・沖縄の各県とは14万円台の開きがある。
問題の核心はその経緯にある。賃上げ率が2年連続で5%台を記録した24・25年に、格差は一気に開いた。春闘の果実は東京の大企業労働者が独占し、地方の中小零細に勤める者には届かなかった。
ここに二重の政治的失敗がある。石破茂政権は全都道府県での地方版政労使会議の開催により、最低賃金を含め地方で賃金が上がる環境を創り出すと明言し、地方創生2.0を最重要課題に掲げた。理念は正しかったが、短期政権で終わったために、格差の拡大を食い止めるには至らなかった。
しかしより深刻なのは、その後である。高市早苗首相は「地方創生」ではなく「地方の活力こそ日本の活力」「地域ごとの産業クラスター」などの文言で独自色を打ち出しているが、地方創生関連の交付金を倍増させた石破政権との温度差は明らかで、東京一極集中の解消にどう取り組むかは不透明だ。
格差が統計として刻まれていたものの、是正の処方を模索していた石破政権の路線は継承されなかった。これは政治的な選択だが、その結果、格差は拡大した。地方から東京へ向かう若者の列は、今もなお静かに続いている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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