2026/06/23

2026年の夏季賞与の支給状況(従業員1人当たり平均)について尋ねたところ、「賞与はあり、増加する」と回答した企業の割合は37.1%(前年比3.4ポイント増)となった。「賞与はあり、変わらない」は37.2%(同0.2ポイント増)、「賞与はあるが、減少する」は10.7%(同1.3ポイント減)で、合計すると、『賞与あり』の企業は85.0%となり、前年(82.7%)から2.3ポイント上昇した。
一方で、「賞与はない」企業は11.0%(同2.0ポイント減)だった。
規模別に「賞与はあり、増加する」企業の割合をみると、「大企業」(44.4%、前年比6.0ポイント増)は全体(37.1%)を7.3ポイント上回った。
他方、「中小企業」(36.0%、同3.0ポイント増)は全体を下回り、「大企業」との差は前年から拡大した。なかでも「小規模企業」(31.4%、同4.4ポイント増)は水準が低く、「大企業」を13.0ポイント下回るなど、依然として大きな開きがみられる。
(中略)
2026年の夏季賞与の支給額(正社員1人当たり平均)を尋ねたところ、「30万~50万円未満」の企業の割合が37.0%で最も高かった。次いで、「50万~75万円未満」(26.2%)、「15万~30万円未満」(19.4%)が続いた。なお、全体平均は47.7万円と2025年(45.9万円)から1.8万円増加した。
(帝国データバンク 6月11日)
2026年夏季賞与の調査結果は、一見すると「改善」の季節を告げている。賞与支給企業は85.0%と前年より2.3ポイント増え、平均支給額も47.7万円へと1.8万円上積みされた。「増加する」と答えた企業も37.1%に達する。しかし、この数字の表層に安堵を見いだすのは早計だろう。統計はしばしば、社会の亀裂を平均値の下に沈めてしまうからである。
大企業では賞与増加企業が44.4%に達し、全体を7.3ポイント上回った。他方、小規模企業は31.4%にとどまり、大企業との差は13.0ポイントにおよぶ。この隔たりは偶然の揺らぎではない。価格転嫁力、賃上げ余力、人材確保力の違いが、賞与という形で可視化された結果である。景気回復の果実は、等しく配られてはいない。
さらに、支給額の最多層は「30万~50万円未満」の37.0%であり、50万円未満が過半を占める現実も見逃せない。物価上昇が家計を圧迫するなかで、平均1.8万円の増加は、実質的な購買力の回復を保証しない。平均値の上昇は希望の兆しではあっても、生活実感の改善を証明するエビデンスとは言い難い。
企業収益の拡大と労働分配の充実が結びつかず、企業規模による格差だけが拡大するなら、それは成長ではなく選別である。賞与の数字が語っているのは、日本経済の復調ではなく、同じ時代を生きながら異なる季節を生きる人々の存在である。平均という穏やかな言葉の背後で、社会の温度差は確実に広がっている。
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