2026/05/12

米金融大手シティグループが日本や中国などの投資銀行事業を拡充するため、幹部人材を採用する方針だとアジア投資銀行部門の責任者が27日、ロイターに明らかにした。国境を越えた合併・買収(M&A)案件の獲得に向けたグループ内の連携強化策の一環。
シティのグローバル投資銀行部門の2026年1‐3月期の手数料収入は、前年同期比12%増。長期にわたった国際的な組織再編を終え、アジア地域で取引を拡大する構えだ。
アジアでの投資銀行部門を率いるクルカルニ氏によると、足元の事業は堅調に推移している。エネルギー価格の変動に敏感なインドネシアやフィリピンなどで新規株式公開(IPO)や資本市場に鈍化の動きがみられる一方、日本や韓国、台湾はそうした影響を受けにくいと説明した。
日本ではテクノロジーやメディア、通信などの業種を強化するため、幹部人材を採用する計画。クルカルニ氏は「日本企業は戦略協議に関して以前よりもはるかに前向きになっている」と述べ、事業の構造改革などに企業の関心があると指摘した。(ロイター 4月28日)
シティグループの日本・中国を軸とする投資銀行事業拡充は、一企業の人事戦略に見えて、じつは世界資本が次にどこへ重心を移すかを告げる静かな号砲である。ロイター(2026年4月28日付け)は、同行がアジアで幹部人材を採用し、越境M&A案件の獲得へ向かうと報じた。数字は雄弁だ。グローバル投資銀行部門の2026年1―3月期手数料収入は前年同期比12%増。金利高と地政学の霧の中でも、資本は利潤の匂いを嗅ぎ分けて移動している。
注目すべきは、日本が「守りの市場」ではなく「攻めの市場」として再評価されている点だ。クルカルニ氏は、日本企業が戦略協議に以前より前向きだと語る。ここには、東京証券取引所が2023年以降求めてきたPBR1倍割れ企業への改善圧力、そして経済産業省が促してきた事業再編・非中核資産売却の流れが伏流している。企業統治改革が形を成してきたのである。
しかし祝意だけでは足りない。外資銀行が活気づくとき、それは国内金融機関の停滞を映す鏡でもある。人材、案件形成力、国際ネットワークのいずれかで隙が生じたからこそ、外から風が吹き込む。日本企業が変わることと、日本経済の果実が国外の手数料収入へ流れることは、同義ではない。
市場は春を装っている。だが花の下には、再編される雇用、売却される事業、選別される地域経済の土がある。シティの拡張は吉報であると同時に、日本資本主義への問いでもある。変化を歓迎するなら、その果実を誰が受け取るのかまで問わねばならない。
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