2026/04/17

エン(東京都新宿区)は、2026年3月のフリーランスエンジニアの報酬相場に関する調査を実施した。調査結果では3月度のフリーランス案件の月額平均単価は78.0万円、2026年3月末時点での掲載案件数は45万1097件だった。職種別の最高単価は「VPoE」(「Vice President of Engineering/エンジニア組織の責任者)で320万円だった。
職種別では、「エンジニアリングマネージャー」の平均単価が4ヵ月連続で上昇し、92.5万円(2.2万円増/2.4%増)となった。開発組織のパフォーマンス向上やエンジニアの定着が重視されるなか、高い組織マネジメント能力をもつ人材への需要が高まっていると推測される。
開発言語別では、全体的に単価の下落傾向があり、「Go言語」や「Rust」などの高単価言語においても同様の動きが見られた。年度末でプロジェクトが一区切りとなり、案件を探すエンジニアが一時的に増えていることなどから、一時的に需給バランスに変化が生じている可能性がある。
常駐案件とリモート案件のトレンドは、リモート案件の掲載比率が34.9%で、常駐案件との報酬額の差は「0.3万円(常駐:77.8万円、リモート:78.1万円)」でリモート案件が高い結果となった。
(エン作成ニュースリリースを要約 4月7日)
フリーランスエンジニアの報酬相場が示す数値は、企業の組織戦略が大きく転換点を迎えていることを明確に示している。平均単価78万円という水準は、もはやエンジニアがたんなる労働力ではなく、いま最も希少な資源となったことを示す。
とりわけ「VPoE」が320万円という突出した単価を示した事実は、技術力だけでなく「組織を設計し、動かす力」が企業価値に直結していることを示唆する。エンジニアリングマネージャーの単価上昇も同様で、企業が生産性と定着率を改善するために、マネジメント能力をもつ人材を強く求めている構図が浮かび上がる。
一方で、「Go」や「Rust」といった高単価言語でさえ下落傾向にある点は、技術市場が依然として需給バランスに敏感であることを示す。年度末の案件整理による一時的な供給増という説明は妥当だが、裏を返せば、技術者の価値がプロジェクト単位で評価される“流動化した市場”が定着したことが反映されている。
企業にとっては調達コストの最適化が進む一方、個人には継続的なスキル更新が不可欠となる。
リモート案件が常駐をわずかに上回る報酬を示した点も興味深い。たんなる働き方の変化ではなく、企業が「優秀な人材を地理的制約なく確保する」ための投資としてリモートを位置づけはじめた証左だ。リモート化はコスト削減策ではなく、むしろ競争力確保のための戦略的選択へと変わりつつある。
総じて、この市場データは、企業が組織の柔軟性と技術力の両立を求め、個人は自律的なキャリア形成を迫られるという、二重の圧力が同時に進行していることを示している。フリーランス市場の拡大は、たんなる働き方の変化ではなく、経営の構造が変わりつつある兆候である。
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