2026/04/10

日本看護協会(会員数73万人)は、「2025年看護職員実態調査」を実施した。本調査は、病院・地域・行政・教育機関など、多様な 領域で活躍する看護職の働き方の実態と意識を明らかにすることを目的として、 協会会員を対象に4年に1度、定期的に実施している。
調査の結果、看護職として働き続けたいとの回答は約6割で、前回調査より低下した。
看護職として働き続けるために重要視していることは「業務や役割、責任に見合った賃金」「休みがとりや すい」「職場の人間関係」「希望する働き方ができる」だった。
今後の「看護職としての就業継続意向」は、「とてもそう思う」が18.5%、「ややそう思う」が44.4%で、合わせて62.9%に継続の意向があった。この割合は前回調査(2021 年:「とてもそう思う」25.4%、「ややそう思う」42.2%で、合わせて67.6%)より低下しており、 年齢や勤務先にかかわらず同様だった。看護職が看護の現場から離れる懸念が高まりつつある。
一方、この1年間に就業先で暴力や暴言、ハラスメントを受けた看護職員が約半数に上り、「患者・利用者」や「患者・利用者の家族」から暴力や暴言、ハラスメントを受けた割合は過去の調査より上昇した。
(日本看護協会作成ニュースリリースを要約 3月31日)
看護職員の就業継続意向が6割にとどまったという事実は、医療機関の経営環境における構造的な歪みを端的に示している。賃金、休暇、人間関係、働き方などは、個々の職場の問題として処理されがちだが、実際には医療提供体制全体の制度設計に起因する。
看護職の負荷は、労働力不足や医療需要の増大という外部環境の圧力を最も直接的に受ける領域であり、その疲弊が数値として表面化したのである。
今回の調査で、年齢や勤務先を問わず継続意向が低下したという点は、看護という職能そのものが制度疲労を起こしていることを示唆する。医療機関は、ある意味で看護職の献身によって組織運営を成立させてきたが、その前提が崩れつつある。
看護職の離職はたんなる人員減ではなく、知識資産の流出であり、サービス品質の低下を通じて経営リスクへと向かってゆく。
重要なのは、待遇改善だけではなく、業務設計、権限構造、キャリア形成、組織文化といった基盤の再構築である。看護職の継続意向の低下は、医療機関に対して、看護という職能の見直しの必要性を突きつけている。わかり切った課題だが、これに切り込まない限り、医療提供体制の持続可能性は確保できない。
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