2026/02/10

優れた人材の確保、活用がますます企業の競争力を左右する時代になってきた。それに伴い、人事領域をつかさどる人間が経営に参画することの必要性が高まっている。人事戦略と経営戦略はどのようにリンクさせ一体化させるべきなのか?ヤフーで人事部門のトップを務め、現在は企業の人材育成や1on1ミーティングの導入指導に携わるパーソル総合研究所取締役会長の本間浩輔氏が、「経営人事」を深掘りしていく。
今回は『罰ゲーム化する管理職』の著者で、パーソル総合研究所・主席研究員 執行役員 シンクタンク本部長の小林祐児氏に、厳しさが増す管理職の現状について話を聞いた。
(中略)
集団での作業になれば、管理職が現場を差配する必要が出てきます。この集団のパフォーマンスを左右するのは管理職の能力。そう考えると、罰ゲーム化によって管理職が力を発揮できていない組織は、そのパフォーマンスを最大化できていないということになるかもしれません。
それでは、管理職の罰ゲーム化にどのように対処すればいいのでしょうか。小林さんは『罰ゲーム化する管理職』の中で、「フォロワーシップアプローチ」「ワークシェアリングアプローチ」「ネットワークアプローチ」「キャリアアプローチ」という4つのアプローチを挙げています。
(Japan Innovation Review 1月30日)
かなりの昔にさかのぼるが、中途採用の面接で「あなたにできることは何でしょうか?」という質問に「部長ができます」「課長ができます」と答えた応募者がいたことが、まことしやかに伝えられた。専門スキルを有しないゼネラリストを揶揄した逸話で、数年単位で多部門への異動を繰り返し、専門スキルが身につかない人事制度のあり方が疑問視された。
だが管理職を忌避する人が多い時代にあって、根拠をもって「部長ができます」「課長ができます」といえる人材の育成は急務かもしれない。
日本能率協会マネジメントセンターは、管理職に求められるスキルに、目標指向力、業務運営能力、組織能力、動機づけ能力、育成能力、信頼される能力、自己革新力――この7つを挙げる。すべて身につけなければならないと想像したら、管理職への昇格を避けたいと思う人は多いだろう。やりがいよりもストレスが上回ってしまい、疲れ果ててしまうのではないかと。
どうすればヒラ社員が管理職をめざすようになるのか。同センターは次のように見解を述べる。
「部下層に、管理職になってからもポジティブに働いてもらうための支援として、プロジェクトリーダーとして管理職に近い立場を任せることにより、権限を持って仕事を進めることや、人を巻き込むこと、巻き込んだ人をどう動機づけるかなどの疑似的な管理職経験を積んでもらうことが有効だと考えられる」
ロールモデルとなる管理職の補佐を務めるのが疑似体験の近道である。密着すれば思考方法や感情の変化も読み取れ、シミュレーションができる。
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