2025/12/26

自動車部品の精密加工を行う松本興産(埼玉県秩父郡小鹿野町)は、埼玉県の中小企業の中から選ばれる「第2回 埼玉PX大賞」で奨励賞を受賞した。
今回の審査では、制度整備やDXの成果だけでなく、社員一人ひとりへの深い想いを軸にPX(パタニティ・トランスフォーメーション)を推進してきた姿勢 が高く評価された。11月27日に埼玉県知事公館で行われた表彰式には、今年からの新制度により、松本興産で育休を取得した従業員とその子供が出席した。
会場では、「育休を取った社員が、ゼロ歳のわが子をそっと抱きながら表彰を受ける」という光景が見られ、県関係者に「まさにPXがめざす未来の姿」と称賛された。ゼロ歳児を抱きかかえ、慎重に壇上へと上がる社員の姿を、仲間たちが温かい拍手で見守った。松本興産が大切にしてきた 人を真ん中に置く経営 が、はっきりと形となって現れた場面だった。
(松本興産作成ニュースリリースを要約 12月15日)
PXとは、父性を意味するパタニティと変革を意味するトランスフォーメーションを組み
合わせた造語である。「埼玉PX」は、埼玉県内の企業が男性従業員の育休取得の推進を契
機に、誰もが安心して育児と仕事を両立できる職場環境づくりなど、組織の活性化や企業
風土の改革に取り組むことを対象にしている。
松本興産の創業は1965年。従業員数170名。埼玉DX大賞奨励賞に評価された理由は三点。第一に、社員の声からはじまるDXの推進。日々の業務で感じた「こうなったらいいな」を形にする目的ではじめたDXのアウトプットとして、社員がつくった業務改善アプリが90本以上におよび、3万時間の作業を1万時間以下へ圧縮して年間4190万円の経費削減を削減した。削減した分は働き方改善や育休支援へ再投資に充当した。
第二に、育休が「迷惑」ではなく「みんなで支える当たり前の時間」にしたこと。DXによる業務標準化で、誰が休んでも困らない体制を整えた。第三に、社員が会社の未来をつくる文化をつくり上げたこと。制度よりも、安心して学び、挑戦し、仲間と支え合える文化を育ててきた点が評価されたという。
受賞について、松本直樹社長は「育休を取りたいと願う社員が、安心してその一歩を踏み出せること。そして、小さな子供を連れて戻ってきたときに、温かく迎えられる会社であること。それは義務ではなく、社員の未来を守るための私たちの責任だと考えている」と受け止めている。この発言から浮かんでくるのは「会社の品格」である。取引先にも同様に温かく関わっているのだろう。
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