2025/12/02

サイバーエージェントの藤田晋社長が12月中旬に社長を退任し、代表権を持つ会長に就きます。強烈なリーダーシップを持つ創業社長が次世代にどのように会社を引き継ぐのか、2000年前後に台頭した多くのネット企業にも参考になりそうです。
(中略)
――早い段階から後継者育成に取り組んできた理由は何ですか。
藤田氏「創業社長は経験値や成長機会を独り占めしてしまう。何十年もやれば圧倒的になってしまい、イエスマンばかりが育ってしまう。これが創業社長が会社を引き継げなくなっていく理由だと思う」
「成長機会を次世代に分けることが引き継ぎだ。早いうちにやらなければ手遅れになる。プレッシャーのかかる局面を経験することで次の世代が育っていく。まず社長を交代してから本格的に引き継ごうという考えなので、これからが大変だ」
「4年後なら僕もまだ若いし、健康不安やスキャンダルなど差し迫った問題もない。バトンを渡しておまえの好きにやってみろというのはある意味簡単だが、そんな甘いものではない。交代の準備を進めるために万全を期してきた」
山内氏「次につないでいく会社にしなくてはいけないと、プレッシャーと責任をひしひしと感じている。立場が伴ってからでないと見えない景色がある。4年間、藤田に伴走してもらえるのはありがたい」
(日本経済新聞 11月24日)
高齢期の経営者が事業承継に頓挫しているのは、多くの場合、早期に着手しなかったことが要因ではないだろうか。経営者として脂が乗り切っている時期に退任の準備に入るケースはきわめて少ないだろうが、サイバーエージェントの藤田晋社長は着々と手を打った。事業承継のひとつのモデルケースだ。
同様の事例に、リゾートホテル、レストラン、フードコートなど海外を含めて73施設を運営するカトープレジャーグループの事業承継が挙げられる。2023年に加藤友康社長は息子の加藤宏明氏に社長を交代した。当時、加藤氏は58歳、宏明氏は33歳。
私の取材に加藤氏は社長交代についてこう語った。
「私がいなくなっても経営体制は盤石であることをベースに考えてきた。当社は非上場の同族企業だが、最初から血縁者を後継ぎにしようとは思っていなかった。経営ができなければオーナーとして生きていけないので、必ず私が見極めて、できればやらせる、できなければやらせない。そこで、彼にいろいろなチャレンジをさせたが、ことごとくクリヤできた。なかなかやるなぁと。いまは十二分に任せられると思っている」
58歳での交代についてはどう判断したのか。
「私の仕事は2つの要素がある。経営者の仕事と業態開発の仕事だが、業態開発の能力は先輩を見ていても年齢とともに落ちていく。まだ私はさびていないと思うが、さびないうちに承継することを意識していた」
同様の判断ができる経営者は少ないだろう。
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