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「恋する中高年は引退しない」60代で88.7%が現役、恋が就業意欲を押し上げる

アイザック(東京都渋谷区)が運営する対象年齢が40歳以上の恋活・婚活マッチングアプリ「ラス恋」は、2025年11月、ユーザー1280名を対象に「恋と仕事」に関する調査を実施した。
調査では、ユーザーのうち-「65歳以上も働きたい」は全体が47.1%、60代男性が64.2%で、 60歳未満での早期リタイア希望者は5.3%にとどまった。ユーザーの有職率は、全体:93.4%、60代:88.7%、70代以上:72.4%。全国就業率61.7%より30ポイント以上高かった。働き続けたい理由のトップは「生活を豊かに保ちたい」57.8%、- 次いで「人との関わり」「健康維持」がランクされた、
 一方、ユーザーの9割が「恋は仕事に良い影響」と回答し、「どちらかというとそう思う」まで含めると91.6%を占めた。恋活の支出増加は72%で-、 外食・ファッション・美容への出費が上位にランクされた。
この調査で、中高年の恋活が、就労意欲の向上と個人消費の拡大を同時に牽引している実態が明らかになった。
(アイザック作成ニュースリリースを要約 11月14日)

40歳以上限定のマッチングアプリである「ラス恋」は2024年9月の全国展開から半年でユーザー数が10倍に増加したラス恋・ラス婚研究所の調査(では87.6%が「恋活が健康寿命を延ばす」と回答するなど、恋活が「健康投資」として認識されはじめているという。
この背景を踏まえて、アイザックは「恋をすること」が中高年の働く意欲・消費行動にどのような影響を与えているのかを可視化するため、本調査を実施した。
「恋活が健康寿命を延ばす」という回答は当事者の実感で、エビデンスがあるのかどうかはともかく、恋愛は健康にプラスと推奨する医師もいる。要は日々の張り合いが大切なのだろう。
調査結果を受けて、アイザックは「人生経験を重ねた中高年にとって、恋活はたんなる出会いの場ではなく仕事の活力源となっていることがうかがえる」「人生100年時代において、恋愛は仕事と並ぶ生きがいのひとつであり、引退後の不安、軽減や充実した人生を送るための原動力となっているようである」とコメントした。中高年を雇用している企業はこの調査結果をどう見るだろうか。雇用する側の見解も聞いてみたい。
恋愛と健康寿命について、厚生労働省や老年医学の関連学会などが調査研究を実施すればおもしろいが、たぶん調査研究の対象になることはないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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