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30代キャリア採用、9割の企業が「即戦力のプレイヤー」を期待

学情(東京都中央区)は、企業・団体の人事担当者を対象に「30代キャリア採用」に関するインターネットアンケートを実施した。30代の中途入社者に期待する役割は、「即戦力となるプレイヤー」を挙げる回答が9割に上り、ほとんどの企業が即戦力プレイヤーを求めていることが分かる。
「20代にはない経験やスキルを発揮して組織を牽引してほしい」「プレイヤーから始めて本領を発揮してほしい」といった声が上がるなか、「まずはプレイヤーとして、その後は本人の適性等も見ながらマネジメントも見据えて期待」「次の世代の管理職候補として、他社(業界)での経験を活かしてほしい」など、将来の幹部候補として期待を寄せる声も多くあった。30代キャリア採用の書類選考で見ているポイントは「経験してきた業務内容」、面接で見るポイントは「人柄・社風との相性」がそれぞれ最多だった。
 「まずはプレイヤーとして、その後は本人の適性等も見ながらマネジメントも見据えて期待」「次の世代の管理職候補として、他社(業界)での経験を活かしてほしい」「即戦力人材として30代前半には早期活躍プレイヤー~チームリーダー、30代後半はそれに加え部署マネジメント補佐を担ってほしい」など、将来の幹部候補としての期待も高く、「経験を活かしてチームを支え、組織に新たな視点や価値をもたらすことを期待している。
(学情作成ニュースリリースを要約 11月10日)

 30代の採用はポテンシャルの採用ではない。プレイヤーとして即戦力であることは絶対条件だが、30代半ばを超えていればマネジメント経験が問われるだろう。プレイヤーとしてもマネージャーとしても、どんな実績をつくったのか。データを示して経歴を説明できないと説得力を持ちえないが、そんな応募者は限られているだろう。
 企業は応募者の何に着目しているのか。学情の調査では、書類選考では、多い順(複数回答)に、「経験してきた業務内容」87.1%、「経験した職種・業種」73.4%、「転職回数」68.0%、「転職理由」66.9%、「仕事に対する姿勢や考え方」61.0%だった。
 面接で見ているポイント(複数回答可)は、「人柄・社風との相性」78.0%、「コミュニケーションスキル」76.2%、「経験してきた業務内容」70.8%、「仕事に対する姿勢や考え方」68.7%、「転職理由」63.0%とつづいた。人物を審査している。
こうして採用されてもミスマッチは避けられない。目利きの限界である。すでにAIのほうが人物審査の精度は上回っているかもしれない。ミスマッチを避けるために、遠からず書類選考も面接もAIが担当する時代が到来するだろうが、そのときに採用担当者の仕事は、応募者への連絡とAIの操作にとどまる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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