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ビジョナルの25年7月期、純利益23%増 転職市場好調で

 ビジョナルが11日発表した2025年7月期の連結決算は、純利益が前の期比23%増の159億円だった。転職市場で即戦力人材の引き合いが強く、主力の転職支援サイト「ビズリーチ」の利用が好調だった。
売上高は21%増の801億円、営業利益は20%増の214億円だった。ビズリーチ事業の売上高は19%増の686億円だった。企業が求職者を直接スカウトする「ダイレクトリクルーティング」の浸透で、導入企業数は前の期から6400社増え3万8100社になった。スカウト可能会員数は49万人増え307万人となった。
あわせて26年7月期の連結純利益が前期比1%増の160億円になる見通しだと発表した。採用管理システム運用会社の買収に伴うのれん償却費約11億円を計上するため小幅増益にとどまる。
売上高は24%増の992億円を見込む。主力のビズリーチ事業の売上高は17%増の803億円を見込む。人材管理システム「HRMOS(ハーモス)」事業は26年7月期に営業黒字を見込んでいたが、2億円の営業赤字の計画とした。プロダクト開発や人材採用などの成長投資を継続する。
(日本経済新聞 9月11日)

ビジョナルに追い風が吹いている。DX対応人材と非DX対応人材の入れ替えなどで、転
職市場の活況はつづきそうだ。パソナの調査(2025年7月版)によると、全体の転職求人倍率は、2.12倍、ハイキャリア(年収700万円以上)の求人倍率は、2.81倍で、転職求人倍率は依然として高水準を保っている。
ハイキャリア領域では、21年第4四半期を「1」とした場合、 25年第1四半期は求人が1.53、求職者は1.58と伸長し、年収700万円の求職者推移が顕著に増えた。パソナは「全体として、求人数も求職者数も高止まりを続けており、人手不足の状況は変わらず、引き通き、求人倍率は高い数値を保っている」と分析する。
 その背景について、注目すべき見解を述べているのは、dodaの桜井貴史編集長とキャリアアドバイザーのチームだ。転職市場が引き続き活況である背景に「団塊ジュニア世代の2040年問題」があるという。
団塊ジュニア世代が40年ごろに定年退職を迎えることを見据え、採用体制や採用ブランディングの強化などに力を入れはじめている。40年は団塊世代が全員90歳を超える年で、高齢化のピークと予想されているが、ジュニア世代の定年退職と併せて大きな節目になる年だ

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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