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スガキヤの初任給、5万円上げ28万円に 「挑戦できる若手」求める

東海地方を中心にラーメンチェーン「スガキヤ」などを展開するスガキコシステムズ(名古屋市)は4日、2026年4月以降に入社する正社員(総合職)の初任給を5万円引き上げ、28万円にすると発表した。事業拡大に向け、人材獲得の競争力を高める狙いだ。
 年間休日も8日増やし、116日とする。今年10月には、平均6~7%の賃上げを実施して、新入社員の給与との整合を図る。  
同社は、たこ焼き店の「たこ寿」、デザート類をそろえた「スーちゃんハウス」などの新業態を立ち上げ、事業の拡大を進めている。担当者は「新しいビジネスに挑戦できる、優秀な若手を増やしたい」。今春は5人を採用したが、26年度は10人以上の採用を目指しているという。
 同社は今年9月1日時点で愛知、岐阜、三重の3県を中心に282店舗を展開。ラーメン1杯430円という手軽な価格と、独自のラーメンフォーク(先割れスプーン)で知られている。
(朝日新聞 9月4日)

平均6~7%の賃上げによって、スガキコシステムズのモデル年収(総合職)は、社員420~435万円、店長450~530万円、マネージャー510~810万円となった。
情報サイト「年収ランキング」(2025年版)によると、飲食業界の平均年収は504万円。
最高はコメダホールディングスの974万円、2位がスシローホールディングスの848万円、3位がロイヤルホールディングスの708万円、4位が吉野家ホールディングスの707万円だった。
 このデータと比較しても、スガキコシステムズの給与水準は見劣りしない。同社は「今回の改定は、単なる労働条件の改善ではありません。新業態へのチャレンジを通じて培ったノウハウを次世代に継承し、更なる成長を目指すための、未来への人材投資です」と述べている。
しかし賃上げの効果を顕著に出すためには、手取りが増えることが前提である。額面が増えれば手取りも増えるが、それ以上に納税額と社会保険料が増える。本人はどれだけのありがたみを実感できるのだろうか。
うがった見方をすれば、国が税収と社会保険料納付額を増やすには賃上げ促進策を打ちつづければよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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