2025/09/08
就職氷河期世代の就業やリスキリング(学び直し)の支援拡充に向け、政府は地方自治体の取り組みを加速させるための交付金を創設する。内閣府が2026年度予算の概算要求として10億円程度を盛り込む。
石破茂政権は氷河期世代の支援強化をかかげ、4月に関係閣僚会議を設置した。就労・処遇改善、社会参加、高齢期を見据えた3つの支援枠組みで、関係する府省庁が対応にあたっている。
内閣府は各自治体の取り組みを後押しするための「地域就職氷河期世代等支援加速化交付金(仮称)」を26年度に新たに設ける。同様の交付金は20~24年度にもあり、25年度は孤独・孤立対策に関する交付金に統合していた。26年度は氷河期世代への支援を明確にする。
各自治体は交付金を活用し、正社員化の促進や個別相談、就職希望者と企業とのマッチングなどに取り組む。
(日本経済新聞 8月27日)
就職氷河期世代等支援に関する関係閣僚会議は、各自治体に対して①氷河期世代が受験可能な中途採用試験を実施していない自治体に対して、採用試験の実施②従前から取組を行っている自治体を含めた全自治体に対して、氷河期世代の積極的な採用――を要請してゆく。
すでに自治体も氷河期世代の採用に動いている。東京都では、氷河期世代を対象にした25年度の教職員採用試験で、計20人の応募に対して1142人が応募した。応募倍率は前年度を0・3ポイント上回る57・1倍だった。東京都立川市は26年度の一般職採用試験で、応募対象に1970年4月2日生まれ以降の氷河期世代まで年齢枠を拡大する。
一方、政策として推進できる自治体の採用と違い、民間企業に氷河期世代の採用を促すには、支援措置が必要だろう。関係閣僚会議は25年度と26年度以降の取り組みとして、トライアル雇用助成金の拡充や特定求職者雇用開発助成金の拡充を検討する。
あと数年も経てば氷河期世代はミドル世代からシニア世代に移行する。人手不足の時代とはいえ、キャリアを積んでいなければ、この年代での正規雇用は容易でない。残された時間は少ない。
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