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2月の実質賃金1.2%減、2カ月連続マイナス 厚労省発表

厚生労働省が7日発表した2月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.2%減った。減少は2カ月連続。物価上昇に賃金の伸びが追いつかない状況を抜け出せずにいる。
名目賃金を示す1人あたりの現金給与総額は28万9562円で伸び率は3.1%だった。実質賃金の計算に用いる消費者物価指数(持ち家の家賃換算分を除く総合)の上昇率は4.3%で、名目賃金の伸びを上回った。
コメや生鮮食品の値上がりや、政府がガソリン価格の高騰を抑える激変緩和措置を縮小したことが響いた。
 現金給与総額のうち基本給にあたる所定内給与は1.6%の増加にとどまり、2024年1月以来、1年1カ月ぶりの低水準だった。全体の3割を占めるパート労働者の比率が高まり、伸びを抑えた。
調査対象となる事業所の変更や、24年2月がうるう年で平日が多かったことも影響したとみられる。
厚労省の担当者は「所定内給与の伸びの鈍化は特殊要因が大きい。賃上げの動きは続いている」と説明している。
総実労働時間は前年同月比で2.5%減の131.2時間だった。就業形態別では一般労働者が2.1%減の156.1時間、パートタイム労働者が2.2%減の77.1時間だった。
(日本経済新聞 4月7日)

 実質賃金の減少をカバーする策として、にわかに話題を呼んでいる第3の賃上げは、提供事業者にとってはビジネスチャンスになりそうだ。
 福利厚生の食事補助サービス「チケットレストラン」を提供するエデンレッドジャパン、従業員の生活出費を補助する「freee福利厚生 ベネフィットサービス」を提供するフリー、家事代行サービスを提供するベアーズの3社が、「#第3の賃上げアクション2025」と題するプロジェクトを始めた。
プロジェクトでは、大阪府内に本社もしくは事業所がある企業を対象に、参画企業3社横断で『【大阪府限定】従業員の生活支援に!「第3の賃上げ」導入応援キャンペーン』を実施する。特典内容は各社で異なるが、各社サービスを新規導入する企業は期間限定で特典を受けられる。
 「#第3の賃上げ 大阪アクション」発表会で、「freee福利厚生ベネフィットサービス」を利用しているデフデザインオフィス・飯田琢磨副社長は「給与を直接上げるだけではなく、福利厚生を活用して“日々の支出を減らす”ことで、結果的に手取りが増えるという仕組みなら、中小企業のように大幅な昇給が難しい場合でも、従業員の生活をサポートできる」と述べた。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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