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退職代行『モームリ』、新卒者から4月1日に依頼5件

退職代行サービスで知られる「モームリ」が4日までに公式X(旧ツイッター)を更新。2025年新卒からの退職依頼の状況を伝えた。
 3日、「本日は新卒の方から20名の依頼がありました」と利用者数を報告した。同日の別の投稿では「4月1日5件、2日8件」とも報告しており、3日間で、33名の新卒から退職代行の依頼がきたことになる。  
また、入社初日にあたる1日の投稿では、新卒5名から依頼があったとし、退職理由も公表した。以下の通り。
■社長が入社式の最中に新卒社員ともめて、みんなの前で怒鳴ったことに加え、廊下に出して「なめてんのか」と説教。(女性・事務関連)■入職前の研修がありマナーやコミュニケーションなどの5時間ほどの研修で講師の方の脅しのような言葉、看護学生と社会人は違うとの言葉があり自信を無くしてしまった。(男性・医療関連) ■実際の業務を想像するだけで、すごく吐き気と鬱のような状態となり、働ける状態にないため。(男性・教育関連)■思っていた接客業務と違い、やりがいを感じる機会がないと感じた。(女性・飲食業)
(中日スポーツ 4月2日)

今年の入社式では縁のあるタレントが登壇して、新入社員を激励するシーンがいくつか報道された。どの番組でも取り上げられたのは伊藤忠商事の入社式で、ゆずの2人が「栄光の架橋」を歌うシーンである。歌を聞く新入社員の顔も何名か放映されたが、女性新入社員が微笑みを浮かべながら頷く表情に、歌詞さながらに栄光に向かおうとする覇気が漂っていた。
同社の入社式で着目したいのは、終了後に取材を受けた岡藤正広会長の発言である。4月1日付け毎日新聞によると、岡藤氏は、短期間で辞める若手が増えていることを指摘しながら「2年、3年で(会社を)変わるのでは何も身に付かない。下積みの仕事も我慢をして、ビジネスマンとしてのコツをつかんでもらい、自分の将来のプラスにしてほしい」と話した。
石井敬太社長による「2025年 新入社員への社長メッセージ」も新入社員の将来に思いをはせるすばらしい内容だ。
同社のニュースに触れた後に、入社式の当日に退職の申し出を依頼する新入社員がいるというニュースを読んだ。会社側と社員側の双方に問題があるのだろうが、我慢という行為は消えつつあるようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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