2025/04/09
日本看護協会が実施した「病院看護実態調査」によると、2023年度の離職率は、正規雇用看護職員11.3%、新卒採用者8.8%、既卒採用者16.1% で、22年度に比べて改善した。
正規雇用看護職員は、11.3%(対前年比0.5ポイント減)、新卒採用者8.8%(対前年比1.4ポイント 減)、既卒採用者16.1%(対前年比0.5ポイント減)だった。 新卒採用者の離職率(当該年度の新規採用者のうち年度末までに離職した割合)は、離職率を同様 の方法で把握してきた05年以降の21年度・22年度に10%台となったが、23年度は 8.8%に改善し、19年度のコロナ禍前と近似していた。
23年度の総退職者数が増加したと回答した病院は 30.8%で、2022年度と比べて4.1ポイント減少した。
正規雇用の看護職員に導入している働き方は、「短時間勤務正職員」が 31.9%、「職務 限定正職員」7.4%、「勤務地限定正職員」2.0%だった。 看護管理者が考える正規雇用の看護職員に導入している働き方による効果は、「短時間勤務正職員」「職務限定正職員」「勤務地限定正職員」のいずれも「看護職員のワ-ク・ライフ・バランスが 確保しやすくなった」「個々の生活事情を理由とした退職者数が減少した」が多かった。
(日本看護協会作成ニュースリリースを要約 3月31日)
看護師の離職ついて病院関係者が問題視しているのが、人材紹介会社経由で入職する看護師の離職が多いことだ。この3月に開かれた病院団体の会合で、民間病院の副院長は「当院は毎年、紹介会社経由で10人の看護師を採用している」と報告し、窮状を打ち明けた。
「紹介会社に支払う手数料は1人平均100万円なので10人で1000万円。この額を毎年支払っているが、それは紹介会社経由で入職してくる看護師は1年で辞めてしまうことが多いからだ。1000万円の財源は診療報酬なので、この現状は問題だと考えている」
同席していた看護師団体の代表は、この発言に呼応するように「人材会社のコンサルタントは看護業務のプロではない。そのコンサルタントに看護師が自分のキャリアを預けてしまってよいのだろうか。看護師には自分が働く職場なのだから紹介会社を頼らないで、自分で探すべきだと言いたい」と述べた。
このやりとりを中堅病院の看護部長に伝えて、所見を聞いたところ「その通り」と同意した。
「うちも紹介会社に依頼しないと看護師不足を補えないので依頼しているが、紹介会社から廻ってくる履歴書を見ると、1年おきに転職を繰り返している看護師が多い。うちで採用しでも1年で辞める可能性が高いのでお断りして、転職歴の少ない看護師の紹介を依頼している」
本来、自院ホームページや、就職情報サイト、リファラル採用などで必要人数を採用できればよいのだろうが、人材紹介会社に頼らざるを得ない実態がある。ただ、人材紹介会社も成功報酬で商っているのだから、必要悪のように言われるのは心外だろう。
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