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帝国ホテル6%賃上げ、3年連続ベア 東横インは7%

帝国ホテルは21日、2025年の春季労使交渉で基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)で賃金を平均約6%引き上げると労働組合に回答した。東横イン(東京・大田)は4月から約7%の賃上げを実施する。優秀な人材の確保に向けてホテル業界で賃上げが広がっている。
帝国ホテルは全従業員約2000人が対象とし、賃上げ額は平均で月額約1万6900円。ベアは3年連続で1万1500円(4.1%)。同社は26年春の帝国ホテル京都(京都市)の開業に向け、25年4月に220人を採用する。4月入社の大卒初任給は1万1500円引き上げ、24万5580円とする。
東横インのベアは4年連続。25年は5%のベアと定昇を合わせて約7%の賃上げとなる。対象は一部の本社管理職などを除くパート従業員も含めた約1万8300人。フロントスタッフのモデルケースの場合、7%の賃上げで地域によって異なるものの、月1万7500円の増額となる。
 同社の黒田麻衣子社長は「新規採用と雇用維持のため、賃上げをしていく」と話す。
(日本経済新聞 3月22日)

2023に策定された第4次観光立国推進基本計画では3つの柱として「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」が示され、旅行消費額や地方部宿泊数などの政府目標が掲げられた。
24年の2024年の年間訪日外客数は過去最高の3686万9900人で、前年比では47.1%増。それまで過去最高だった19年の3188万2049人を約500万人上回った。日本政府観光局によると「桜・紅葉シーズンや夏の学校休暇などピークシーズンを中心に各市場が単月での過去最高を更新し、東アジア、東南アジア、欧米豪・中東からの訪日が実数を増やしたことが、年間過去最高の更新につながった」という。
 ますますホテル・宿泊業界の人手不足は深刻になってゆく。おもな対策として実施されているのは給与水準の引き上げだが、人材の定着を図る手段はそれだけではない。
 さる3月10日、帝国ホテルは、経済産業省と日本健康会議が推進する「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に、4年連続 で認定された。さらに同部門の上位法人に付加される「ホワイト500」に初めて認定されました。ウォーキングイベントや各種健康セミナーなどを開催、従業員食堂でのヘルシーメニュー提供や食イベントの開催、育児や介護と両立しやすい制度や環境整備が評価された。
 これは一例だが、要は社員が「会社に大事にされている」という実感をもつような職場環境を整えることがポイントである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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