Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

地銀・信金90超、大企業から中小企業へ人材仲介

横浜銀行や静岡銀行、大阪信用金庫など90を超える地銀や信金が仲介役となり、大企業人材を中小企業に紹介する取り組みが始まる。高いスキルを持つ人材は都市部の大企業に集中し、地方の中堅・中小企業では経営を担う人材が不足している。政府系機関が管理するサイトに転職や副業を希望する個人が登録できるようにし、地銀などが人材のマッチングを受け持つ。雇用の流動化を官民で促す。
政府は大企業の転職・副業希望者が登録できるサイト「レビキャリ」を26日に開設する。地域経済活性化支援機構(REVIC、東京・千代田)が管理する。登録できるのは資本金10億円以上または従業員2千人超の法人の社員で、本人確認を求める。業種、年齢、役職の制限はない。セカンドキャリアを模索する人や副業・出向を希望する人の登録を受け付ける。
レビキャリは地方中小への転職を希望する大企業人材のデータベースとして、2021年10月に本格稼働した。これまでは趣旨に賛同した約80の大企業に勤める人材が人事部経由でしかレビキャリに登録できなかった。26日以降は個人登録を解禁する。求人企業も求職者も無料で利用できる。早期に登録者1万人規模を目指す。
(日本経済新聞 8月26日)

外部から新社長を迎える場合、まず問われるのは新社長の人心掌握力だ。都心の大企業と地方の中小企業は別世界である。おそらく大企業の管理職経験者にとって、中小企業の経営風土は「ぬるい」と見え、とくに数値管理は「ずさん」と判断することが多い。
そこで早期の体質改善に着手し、PDCAサイクルの実行を徹底させ、目標未達の社員に対しては未達の要因分析や善後策の策定を示すように指示する。王道だが、社員は「厳しく詰められた」と受け止め、新社長に対して面従腹背に徹し、やがて集団で退職――そんな事例も多い。
月並みな手段だが、食事会などを通して相互理解を進めたうえで経営管理のレベルアップを図ればよいのだが、功を焦るあまり、詰めることからはじめてしまう。
一方、新社長を受け入れ方にも問題が散見される。現社長が会長に異動しても、オーナーとして影響力を行使し得る立場にあれば、新社長のもとに策定・実行される成長戦略を受け入れるとは限らない。ともすれば「あの会社の取り引きを継続しろ」など自分の足跡を踏襲することを強要しがちで、新社長はがんじがらめになってしまうのだ。
中小企業では社長にノウハウと人脈が集約されているケースが多いので、新社長にとってノウハウと人脈はブラックボックスである。これをオープンにして新社長に譲り渡さないと事業承継はなかなか進まない。
大手企業管理職が中小企業の社長に転じたのちには、こうした諸問題が潜んでいる。仲介する地方銀行と信用金庫にそこまでの目配りを期待したい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。