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就活費、コロナ前より4割減の7万円

2022年卒業予定の大学生がこれまでに使った平均の就職活動費が、新型コロナウイルス感染拡大前の20年卒の同時期に比べ4割ほど減少し、約7万2千円となったことが、民間調査で分かった。オンラインによる就職活動が増え、交通費や宿泊費が大きく減ったことが要因という。
調査は就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルート(東京)が実施し、大学生1727人から有効回答を得た。20年卒は前年7月1日時点、21、22年卒は同6月12日時点の金額を集計した。
20年卒の就職活動費は12マン8890円だったのに対し、21年卒はさらに7万2034円まで減った。コロナ禍で21年卒からオンライン就活が急速に普及し、対面での就活が減少。22年卒でその動きが浸透したことが影響したとみられる。(日本経済新聞 10月7日)

オンライン面接の普及で学生の交通費や宿泊費が削減されることは、これ自体は好ましい傾向だろう。だが、学生と企業の関わりに支障が出がちだという。
オンライン面接の普及にともない、企業と学生との関わりが希薄になって、内定辞退のハードルも低くなる。採用に限らず対面していない相手に対しては、容易に関係を断ちやすい。バーチャルな関わりにとどまれば当然である。
このリスクをどう回避すればよいのか。昔から内定者を集めて懇親会を開いて、引き留めるのが通例だが、もっと踏み込んだ対策に取り組む企業もある。中小企業の事例だが、社長が内定者の実家を訪問して、経営の考え方などを保護者に説明している。
おそらく家庭訪問によって、内定者の家族の間には「この会社に入る」と合意形成がされる。実際、この数年、内定辞退は発生しないという。
中小ベンチャー企業の採用に社長が深く関与すべきであることは、多くの企業で理解されているが、内定者を逃さないのも社長の役割である。オンライン面接で関係が希薄になる状況で、社長の役割はこれまで以上に強くなるのではないだろか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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