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日立、99人を解雇した上で補償 技能実習生と最終合意

日立製作所が笠戸事業所(山口県下松市)で働くフィリピン人技能実習生を解雇した問題で、日立は8日、年内に在留資格の更新を迎える計99人を全員解雇する一方、日本にいる間は月給の6割(約10万円)を補償することなどで実習生側と最終合意した。
 笠戸事業所には実習生が約270人いたが、目的の技能を学べない作業をさせてきた疑いで法務省などが検査中。国側が日立による技能実習を認めない行政処分をした場合、日立は残りの実習期間約2年について基本賃金(月約14万円)の全額を実習生に補償する。
 国の監督機関「外国人技能実習機構」は検査中を理由に、日立が提出した実習計画を認めておらず、入国管理局も技能実習生としての在留期間の更新を認めなかった。このため、日立は入管に実習生の在留資格を「短期滞在」に変更するよう申し出、9~10月、40人に解雇を通告。今月7日には20人、8日に残り39人にも追加で解雇通告し、計99人を解雇した。(朝日新聞デジタル 11月9日)

 外国人技能実習制度の問題のひとつに、3~5年の実習期間を終えたら帰国しなければならないという制約が挙げられる。一定水準のスキルを身につけた時点で帰国するため、実習実施者はどこまで投資を回収できているのかどうか。
もっとも目的が当座の人手不足解消であれば、雇用の調整弁として機能すればよいと割り切っているのだろう。このホンネが実習計画以外の業務を担当させ、行政処分に至ってしまうのだが、法令に反してでも就労させないと現場が廻らない。処分される実習実施者はそう考えているのだ。
一方の実習生は帰国後にスキルを活かしてキャリアアップできる職につけるとは限らない。キャリアアップできなければ、“出稼ぎ”できるほどの賃金は支払われないので、雇用の調整弁として利用されただけである。
 この問題はローテーション型制度の限界である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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