株式会社イシダテック

ジーニアスをパートナーとして「ハードウェア×AI×データ」の人材を得て、食品製造現場の変革を加速

ジーニアスでは「労働市場を通じて、社会を豊かにする。」と考え、「顧客の要望に応え、顧客を創造すること。」を重視して、ヘッドハンティングを中心とした人材ソリューションを提供しています。
今回は、お客様である株式会社イシダテックの石田社長と、ジーニアスを通して入社されたエンジニアの鈴木氏をお招きし、イシダテックの人材採用や今後の事業展望についてジーニアスコンサルタントの及川がお話をお伺いいたしました。

株式会社イシダテック
代表取締役社長 石田 尚氏 (右から2番目)
事業推進室 エンジニア 鈴木 佑介氏 (左から2番目)

石田尚氏プロフィール
筑波大学大学院(工学)修了。在籍中にペンシルベニア州立大学、ウィーン経済経営大学大学院に留学し経営工学を専攻。大学院修了後、2012年4月に株式会社エル・ティー・エスに入社。コンサルタントとして多様な実績を持ち、2015年に株式会社イシダテックに入社。2018年、関連会社であるアーオーグループジャパン株式会社を設立。2021年1月、株式会社イシダテック代表取締役社長に就任。

「ハードウェア×AI」で省力化を究め、企業や産業の課題を解決

まず、イシダテック様の事業のご紹介からお願いします。

石田:1948年に静岡県焼津で創業した、食品や医薬品を作る機器のメーカーです。近隣の鮮魚店で仕事が楽になるよう、日々の困りごとを機械や仕組みで解決するところから始まりました。私は3代目で、今は食品が7割、医薬品が3割と業界特化で、オーダーメイドによりお客様の要望や課題を機械図面に落とし込み、製造・提供してきました。昨今の労働人口減を受け、省力化・省人化を実現できるような装置を得意としています。取引企業には業界トップの大手食品・飲料会社が多く、医薬品業界でもグローバルニッチトップの医薬品製造機器メーカーのOEMで、製薬において必要不可欠な工程を担う機械を作っています。

ジーニアスのコンサルタントとして及川が御社を担当していますが、人材採用においてどのような課題があったのですか。

石田:もともとオーダーメイドでハードウェア(機械装置)を作ってきましたが、2018年からAIを自社開発して当社の機械装置と合わせ込み、お客様の生産ラインに提供を始めました。これが好評で、特定企業向けから他社にも展開してきたなかで、「ハードウェア×AI」で社会課題を解決できると手応えを感じるようになり、2022年より本腰を入れています。
こうした0→1の開発ができる人材は社内に偶然おり、だからこそ立ち上げてこられたのですが、本格的にソリューションとして提供し、事業としてスケールを目指すとなると、事業を推進していけるテックリード人材が必要だと痛感しました。人材要件は難易度が高いのですが、工場の製造ラインやハードウェアの知見とともに、ソフトウェアも分かる専門人材です。

そうしたハイスキル・ハイスペックな人材を求めて、ジーニアスにご相談いただいたわけですね。

石田:最初は従来どおり、募集型の採用媒体や人材紹介エージェント数社に声をかけたのですが、静岡にある支社だと地場産業である自動車関連での案件が多いのもあって、当社の事業についてはなかなか理解をいただけませんでした。先方の担当者に何回説明しても事業ビジョンに腹落ち感が薄いのです。また、ダイレクトリクルーティングも試そうとしましたが、当社には専任の採用担当者はいないため、自社で運用をやりきるのは難しかった。また、私自身のネットワークによるリファーラル採用でも、こうした人材を探すには限界がありました。
そうするうちに半年が過ぎ、焦りを感じたときに以前からの知己であった及川さんのことを思い出し、相談させてもらったのです。すると当社の独特な事業に対する理解が早く、かつ、その深さに驚きました。さらに、人材要件に関してもメタ的に整理いただき、描いたゴールに対して複数の筋道を提案いただけました。そこで半年の遅れを取り戻すべく、すぐジーニアスに依頼することを決めました。

ジーニアスを通じ、会社の未来を創る重要案件のテックリードを採用

そうして採用されたのが、鈴木さんですね。どのように決まっていったのか、教えてください。

石田:候補者を見つけてくれるのが早かったですよね。まず成功報酬型で依頼し、これは難しそうなのでリテーナー型(ヘッドハンティング)にすぐ切り替えました。その1人目が鈴木さんでした。

及川:あのときはご依頼を受けて、静岡県近郊に生産拠点があることに加え、ソフトウェア、AI人材がいるであろう会社をピックアップしたのが最初です。結果的にその企業群の中に鈴木さんが当時働かれていた会社があったのですが。そこからさらに深くサーチを行い、ハードウェアとソフトウェアの両方ができる人材を探し、鈴木さんへのお声がけに至ったのです。

鈴木さんはイシダテックを紹介されて、どのような印象を持たれましたか。

鈴木:イシダテックの社名は知らなかったのですが、ニュースなどでAIを活用した製造機器を開発したというのでその存在は知っていて、その会社からのスカウトなのだとまず驚きました。実際に業務について伺うと、自分のスキルセットと合致していて、また驚きました。一般的な求人ではハードウェアとソフトウェアの両方の知見を求められるのは珍しく、そうした募集は初めてだったのです。両方をやりたい自分にとっては、ピッタリの求人でした。

及川:イシダテックでは社員の方たちがnoteでたくさんの情報を発信されています。それも見ていただいたので、社風や技術力など、会社や業務への理解を深めていただけたのも良かったですね。

転職活動をされるなかで他社も検討されたと思いますが、イシダテックへの入社の決め手は何でしたか。

鈴木:大手も受けていて、そちらでもやりがいは感じられたのですが、さらに専門性を磨いていくのは難しいと思いました。それがイシダテックでは、自分のスキルを活かしながら実績を積み、キャリアアップしていけると感じられた。それが決め手ですね。

入社されて約半年ですが、現在担当されている業務と所感をお聞かせください。

鈴木:生産原料となる食品の評価・選別AIの開発・実証実験でテックリーダーを務めています。日本が誇る食品群の製造に不可欠な原料の選別作業を人力からAIに置き換えようという取り組みで、イシダテックの新たな方向性を象徴するようなプロジェクトです。
こうして当社で働いてみて、成熟した企業でないからこその、やりやすさを実感しています。裁量があり、仕事の範囲をここまでと決めずにとことんやれるので、思った以上にやりがいがあるのです。密度の濃い時間を過ごせていて、まだ半年しか経っていなかったかとあらためて思いますね。

石田:それは良かった。こちらの事業は会社として非常に重要な位置づけで、鈴木さんの活躍には満足しています。これから推進していくなかで、鈴木さんをサポートできる人材もどんどん採用したいですね。今は事業の型を作る段階から次に進むフェーズなので、手を動かせる人が欲しいです。

そのときに、鈴木さんが一緒に働きたいと思うのはどのような人ですか。

鈴木:なんでも貪欲に吸収し、それを実用化させていきたいので、やりきる気概のある方とご一緒したいです。この仕事に向いているのは、考えすぎず、悩まずにとにかくチャレンジしてみようというタイプ。まずやってみてダメだったら修正するといった、楽天的な人がマッチすると思います。エンジニアは元来、職人気質でコツコツタイプが多いものですが、マインド的にもぴったりな人と一緒に働きたいですね。

ハードウェアとローカルの知見を武器に、AIやデータで事業の新機軸を切り拓く

では次に、石田社長が考えられている、全社での今後の事業計画をお聞かせください。

石田:大きな流れは、ハードウェアとソフトウェアを融合して新たな価値提供をしていくことです。自社でAIを開発し、ソフトウェアを作れても、ハードウェアまでしっかりと手がけられる会社というのは多くありません。50cmの箱を作るだけでなく、50mの製造ラインへの組み込み、実装までできるのが当社です。なかでも、一次産業と二次産業の結節点で価値を提供するような独自の展開に注力していきます。さらにソフトウェアは横展開もしやすいので、その業種・地域で同じ課題を抱えている産業に当社のプロダクトでDXをもたらし、産業構造の変革につなげられれば大きい。それも視野に入れています。
もう1つ目指すのは、その「ハードウェア×AI」の取り組みのなかで得られるデータの価値化です。たとえばカツオを漁獲して、漁場や水温などの条件とカツオの新鮮さ、脂のりといった品質の相関関係が分析できれば、資源管理につながるなど、データによる新たな付加価値を提供できます。

及川:いままでハードウェアで事業を行ってきた会社が、ソフトウェアやデータでもビジネスを行うようになるわけで、話を伺っているとワクワクします。マクロで見ると、SaaSやデータのビジネスはグローバルの大手に集約されていくような世界観もありますが、御社の場合はローカルで、現場の課題にがっつり取り組んでいるからこその独自モデルなのが魅力です。

あらためて人材ニーズについてもお聞かせください。

石田:事業方針として、水産・農産に関わる省力化・データの価値化プロジェクトの将来性に力を入れています。そのため、これらのプロジェクト群で鈴木さんをサポートするような人材を広く採用するのが重要と考えています。また、新たな動きとして、富士通との取り組みで大きな市場を見込める部分をカーブアウトして、冷凍マグロの非破壊・品質検査装置を提供する「ソノファイ株式会社」を新たに設立したことにも言及します。当社が設計・製造する冷凍マグロの自動検査装置に富士通・人工知能研究所が開発した超音波解析AIを搭載した、ビンチョウマグロの脂のり検査装置を提供し、世界で初めて非破壊での高精度・高速検査を実現しています。この事業には上場できるくらいのポテンシャルを感じており、そこでもハード/ソフトのエンジニアをリーダーからプレイヤーまで幅広いレイヤーで求めていきます。
どちらも新たな取り組みだけに、事業環境や状況も刻々と変化していくでしょう。ジーニアスにはそれも素早く理解してもらい、必要な人材のスカウトなどについて提案いただきたいです。さらに、スタートアップ型の組織で起業したのは初めてなので、営業やCFOなど、半歩先までふまえた提案にも期待しています。

及川:そうですね、ここだというタイミングでアクセルを踏めるようにしておきましょう。
実はいろいろな候補者とコミュニケーションを取るなかで、地方移住を考えている方にイシダテックの話をすると、関心を持たれやすいのです。地方の優良企業がものすごいチャレンジをし、実際に案件が動き出しているところにぜひ参画したいという人を多く集めたいですね。

石田:それはいいですね。実は、プロジェクトデリバリに地理的な優位性がある場所にも会社を設立することを考えているのです。焼津とオンラインでつなぎながら、ものづくりとデータサイエンスの拠点を作り、漁場・農場で得られるデータを活用していきたい。また、いろいろ相談させてください。

難易度の高い人材要件でも、ジーニアスが応えられる理由とは

そもそも難易度の高い人材要件になりますが、ジーニアスはどのような提案ができるのでしょうか?

及川:ジーニアスでは案件をお受けする際に、「その会社自体に魅力があるか」と「その人材の採用について、経営層が意思決定されているか」を重視しています。今回は石田社長から電話をいただき、具体的な課題と要望から人材の必要性を感じ、代表の本気度も伝わってきました。また、イシダテックは知る人ぞ知る、業界内で評価の高い企業です。過去にも「ハードウェア×AI」の事例を複数持たれ、学会発表もされていたので、候補者にそこが伝えられれば良い出会いを提供できるだろうと考えました。

石田:「スピードと深さが違う」といった及川さんの印象は、そうした思いから来たものだったんですね。

及川:そこがジーニアスとして強く心がけている点です。それで胸襟を開いていただき、事業についても人材についてもすぐ相談してもらえればと思っています。
そうして、お客様のビジネスについて当社としてもしっかり学び、経営陣と対話させていただいたうえで、その思いを代行して候補者にきちんと伝え、適切な形でご紹介するというところにジーニアスのサービスの付加価値があるのです。

すると、石田社長のなかでも、今後の人材戦略を考えるときにジーニアスの存在は大きいですか。

石田:そのとおりで、非常に変わりました。事業計画を立てて、フェーズごとに必要な人材を想像するときに、「また及川さんに頼めばいい」といった安心感があります。

及川:有難いことで、具体的な採用案件になる手前から、ちょっとした相談も頻繁にさせていただいています。「こういう人材はいるか」「このくらいの年収で採用できそうか」といった点を、電話でもテキストベースでもかなり小まめにやり取りしていますね。その積み重ねがあるから、お客様の事業計画や人材戦略に沿ったご提案ができるのです。

石田:イシダテックではサービスの品質について、「結果品質」と「プロセス品質」の2種類があるといっています。結果だけみれば○○を処理する装置というだけですが、それを形のないところからお客様と一緒に作っていき、そのプロセスの中で迅速に真心を込めて対応したという「プロセス品質」が大事。ワンショットでなく蓄積していくものであり、別の案件でも一番に想起してもらえるようになる。ジーニアスさんの価値も、そういうことですね。

及川:ありがとうございます。引き続き良いプロセスを重ねて、御社の未来を一緒に作らせてください。

(取材日:2025年4月17日)

ジーニアスコンサルタント パートナー 及川直人
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