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Q.並の能力のサラリーマンが40〜50代で所得を最大化するにはどのような行動をとるのが良いですか?

いつもツイート楽しく拝見しています。
私は三十代中盤年収900万弱(ITエンジニアをやっています)です。

ここから10年ぐらいで年収のピークに達すると想像しているのですが、並の能力のサラリーマンが40〜50代で所得を最大化するにはどのような行動をとるのが良いと思われますでしょうか?

年収がどのように決定するのか?というメカニズムを理解することが重要だと思います。

年収の決定要素として影響度の大きいものから挙げると、(1)業界及び所属企業の年収水準、(2)報酬制度のコンセプト、(3)個人の役割、(4)何らかのムーブメントといったところです。

(1)業界及び所属企業の年収水準:流通小売り業が平均年収が低く、製造業が平均、金融不動産/IT一部/投資会社などが高くなります。全く同じ職種であっても、業種を変えることでアベレージが変わります。

(2)報酬制度のコンセプト:報酬制度は会社によって異なりますが、大まかに年俸+決算賞与、給与+賞与の2類型が日本企業は中心です。一般的に年俸+決算賞与を用いる会社は、当該年度の業績を短期清算する傾向があり、パフォーマンスが上がると反映が早いです。給与+賞与制度を採用する企業は退職金を含めた長期清算するため、短期的にはパフォーマンスの高低で報酬に差が付きにくいです。日本ではまだ少ないですが、SOやRSUといったエクイティを組み合わせた報酬体系は今後増えると思いますが、こちらはボラが大きいので何とも言えません。

(3)個人の役割:多くの企業ではエキスパート(担当者)の報酬限界が設定してあります。そのため役職を上げていくことが報酬UPに繋がるケースが多いです。但し、向いていないマネジメントに報酬だけを目的にチャレンジすることは全体の経営効率を下げることにも繋がるので、マネジメントに不向きであればエキスパートで報酬上限の高い会社を選ぶことが良い判断かもしれません。

(4)何らかのムーブメント:現在はDXブームであり、どこの事業会社もDX部門に投資を行い、報酬制度を一部無視した外部登用も進めています。こういった突発的なムーブメントに乗っかって報酬をホップステップで上げていくという方法も無きにしも非ずですが、タイミング次第なので運要素が強いです。

これらの要素を組み合わせて最も自分がパフォーマンスを上げて評価を得られる、且つ報酬的メリットもある環境を選ぶことが大事だと思います。ただ、悪戯に転職を進めるわけではなく、まず現職での成功を達成するために、上司に1200万稼ぐには現職でどうしたらいいか?と率直に確認するのはありです。98%くらいの労働者はそれすらやりません。現職に残ったままでも意外と達成できることは多いかもしれませんよ。

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三上 俊輔

著者情報:
三上 俊輔

2006年、早稲田大学法学部(専攻労働法)を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社であるサーチファーム・ジャパン株式会社に入社。柔硬幅広い業界の部門長クラス以上の経営者獲得、スペシャリスト(エンジニア、会計士など)採用を実現。 2011年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略及び技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアス設立、代表取締役就任。 理論と実践のギャップを埋め、健全なる雇用環境の発展に微力ながら貢献すべく、スカウトその他様々なプロジェクトを戦略的に遂行している。

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