Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

広島銀行「支店間の競争やめます」、業績評価制度を廃止

ひろぎんホールディングス(HD)傘下の広島銀行は、支店間の業績競争を2024年3月期に廃止する。本部が各支店に与えていた業績目標は、支店が自ら作成する方式に変える。目先の数値を追っていては多様化する顧客ニーズに対応できないと判断した。数字ありきの営業スタイルから脱却してHDの持つ機能を最大限に生かす。
(日本経済新聞 3月29日)

年功序列型の給与体系から成果主義へと日本企業の人事制度が変わる中、広島銀行は、逆に、支店の業績評価制度を廃止した。広島銀行に限らず、日本企業の業績評価制度の問題は、業績を重視することではなく、業績の評価基準の設定と測定方法にある。

企業全体の業績は財務指標で語られることが多いが、企業内の組織や個人の業績は財務指標だけではない。しかし、経営者は、自分の業績評価基準である財務指標をそのまま下の組織の目標として設定し、その組織はさらに下の組織や構成員の目標にしてしまうことが多い。会社の利益目標は支店毎の利益目標に分けられ、支店の利益目標は支店内の行員の利益目標に細分化される。かくして、支店長や中間管理職、各行員は、今期の利益ノルマを達成することに邁進し、その他の活動や長期的な利益に繋がる顧客との関係強化に無関心となる。

最終的なゴールの達成評価基準である重要目標達成指標(KGI)をただ下部組織に割り振るだけなら、四則演算のできる小学生でもできる。各組織の長としては、KGIを達成する上で重要な成功要因(KPI)を分析して優先順位を付け、これらを組織の構成員の業績評価基準とする必要がある。KPIは各組織の内部環境と外部環境によって異なるため、全社共通にはならない。広島銀行が業績目標を支店自らが作成する方式に転換したのは、遅ればせながら合理的な判断だ。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。