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テレワーカー、国境越え獲得競う

国境をまたぐテレワークが広がってきた。世界中の企業が不足するデジタル人材確保の切り札として活用し始めた。越境テレワーカーの供給ビジネスも急成長し、市場規模は2027年までの6年間で2.3倍になるとの予測もある。国際的な人材争奪戦が過熱するとともに、企業の組織や人材管理に変革を迫っている。
(中略)
越境テレワーカーを活用する日本の大手企業はまだ乏しい。21年に日本に進出したディールも、約100社の利用企業のうち8割をスタートアップが占める。すでにテレワークを標準化し、地方からの遠隔就業が増えているNTTや富士通も、海外からの越境テレワークは基本的に認めていない。
(日本経済新聞 12月11日)

インターネットには国境がない。したがって、テレワークが国境をまたぐことは、むしろ自然なことであり、国境を意識する方が違和感がある。ただし、テレワークで社外の人材に仕事を依頼するかどうかは別の問題だ。

日本の大企業も公開資料の翻訳などの作業は外注する。この場合、外注先の翻訳会社は、世界中の翻訳者にインターネット経由で仕事を依頼するのは今や普通だ。しかし、機密情報を含む作業を外注するときは慎重になる。外注したとしても外注先は信頼できる会社に限られるし、場合によっては社内の事業所内での業務を求めることが多い。社外から機密情報へのアクセスする機会を減らすためだ。このため、海外在住で、身元確認が困難な人材にテレワークで仕事を依頼するのはハードルが高い。機密保持は契約書だけでは達成できないため、物理的に機密情報保護の施策を講じる必要がある。連日、中露からサイバー攻撃を受けている現状では、日本の大企業が越境テレワークに慎重になるのはやむを得ない。優秀な人材の確保において越境テレワークは有効だが、その実現のためには、機密情報保護を確実なものにする技術的、組織的な対策が必要だ。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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