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生損保で女性役員相次ぐ、日生2人、あいおいニッセイは初

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日本生命保険は4日、部長職の尾田久美子氏(60)と山内千鶴氏(58)を25日付で執行役員に昇格させる人事を発表した。日生では3年ぶりの女性役員になる。明治安田生命保険、あいおいニッセイ同和損害保険でも今春に初の女性役員が誕生する。企業の女性活躍を促す政府の動きに呼応し、生損保で女性幹部の登用が目立ってきた。
明治安田も4月1日付で松村里美・成田支社長(53)を執行役に起用する。一般職で入社し、生え抜きでは初の女性役員だ。大手損保では、あいおいニッセイ同和の近藤智子理事(54)が同日付で初の女性執行役員になる。第一生命保険も今年初めて生え抜きの一般職女性を役員に登用することを既に決めている。
日生の尾田氏と山内氏は事務職として入社し、尾田氏は現職のお客様サービス副本部長とサービス業務教育部長を兼務し、全国の事務やサービスの改革に取り組む。山内氏はCSR推進部長を兼務し、多様な人材の活用を進める。
政府は女性の活躍を経済活性化につなげる観点から、企業に女性幹部の登用を促している。生損保は営業現場に女性が多いこともあり、女性役員の起用で社員の意欲を高める狙いもありそうだ。(日本経済新聞3月5日付)

生損保はもともと営業を中心に女性が多い職場だ。それだけに女性の能力を最大限に引き出し、会社の業績向上に結び付けることが求められている。

たとえば、日本生命は平成26年、女性活躍推進を経営戦略の柱と位置付け、女性の役員・管理職登用に関する行動計画を策定した。そこには、「継続的に管理職登用をすべく候補者を層として育成し、次期中期経営計画における女性管理職数の目標を平成30年度始520名(平成26年対比20%増)とします。」と明記している。今回の2名の女性執行役員の誕生は、こうした計画に沿ったものだ。

一方、あいおいニッセイ同和損害保険の女性の役員・管理職登用に関する行動計画には、「この7年間で女性管理職比率は0.7%から4.4%まで増加しました。今後、女性管理職比率は2017年度末までに8%、課長補佐以上の女性比率は2020年までに30%を目指します。」とある。このスピードで女性管理職を増やすには、会社が本腰を入れて組織的に女性管理職の育成に取り組まなければならない。

さらに、明治安田生命の女性の役員・管理職登用に関する行動計画には、「女性管理職比率については、2020年までに30%程度とすることを視野に、2017年4月までに20%以上とすることを目標に掲げ、これまでのキャリア・経験等を十分に活かせる領域を中心に登用を推進します。」と記されている。2017年4月に20%を達成するのは、女性の多い生保業界にあっても野心的な目標だ。現場への権限委譲を進めて現場の管理職ポストを増やすなど組織運営のあり方も変えていく必要がある。

こうした女性登用推進の流れの中で、生損保各社で新たに生まれる女性役員には、女性管理職候補者の目標となり、よきメンターとしての役割を果たすことが期待されている。自社だけでなく、今後、銀行や証券など他の金融セクターの業界にとってもよいモデルとなるだろう。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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