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新卒看護職員の離職率が 10.3%に増加

日本看護協会の「病院看護実態調査」によると、2021年度に看護職員の離職率は正規雇用看護職員11.6%(前年比 1.0 ポイント増)、新卒採用者10.3%(同 2.0 ポイント増)、既卒採用者 16.8%(同 1.9 ポイント増)だった。
新卒採用者の離職率は同様の方法で把握してきた05 年以降、初めて10%を超えた。離職率増加の背景には新型コロナウイルス感染症の影響が一定程度あったと考えられる。21年度に早退職者が増加したと回答した病院は約35%で昨年度調査よりも増加し、そのうちの約38%に新型コロナが影響していた。
この調査は看護師の給与も対象にした。看護師の基本給は、新卒、勤続10年とも横ばい、またはやや低下。税込給与総額については、新卒(高卒・大卒)、勤続 10 年とも前年度調査と比べて3000~4000 円程度増加した。の要因としては、令和3年度補正予算で講じられた看護職員等処遇改善事業補助金による 賃金引上げの影響があったと考えられる。
(日本看護協会ニュースリリースを要約 3月31日)

看護職員等処遇改善事業補助金を交付された病院が全額を看護職に支給しているとは限らない。日本看護協会の調査によると、看護職の処遇改善事業補助金の対象になった施設は49.3%で、そのうち89.9%が申請した。
交付された補助金を看護職の処遇改善に充てた割合は、「100%(全額)」が51.6%。「80~100%未満」が15.5%、「60~80%未満」が14.9%だった。なぜ全額を看護職に支給しなかったのだろうか。
補助金の名称に「看護職員等」とあるように、支給対象を看護職員に限定しているわけではない。処遇改善の対象範囲(複数回答)は、「看護職員」が 99.3%で最も多く、次いで「看護補助者」47.7%、「コメディカル職種」28.9%。日看協は「看護補助者、コメディカル職種の処遇改善にも補助金が充てられたと解釈される」とコメントするが、チーム医療体制を運営するうえで、支給対象を看護職に限定できないと判断したことがうかがえる。

Talk Genius編集部

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