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面接における技術とは

mikami0319
 

「どうも面接が上手くいかない」…そんな相談が増えています。私は06年に社会人になってから、懲りもせずこの商売続けており、面接続けて14年経ってしまうのですが、凄くざっくり面接における要点まとめてみました。(独断と偏見に満ちているので異論はあると思います。)

面接の目的を明確にする

毎回の面接において、何に重きを置くのか?で面接におけるコミュニケーションは変わる。面接の目的は大きく①見極めと②惹きつけに分かれる。

①見極め(求職者の能力/行動/思考の評価、求人合致度の確認)
②惹きつけ(会社理解を深める、入社意向を高める)

ゼロサムは存在しないが、どちらに重きを置くのかで面接の段取り・時間配分が変わる。
①見極めを重視する場合には、経歴の確認以外に、業務特性の把握、テスト、プレゼン、特定の課題に対する回答評価などのプロセスを用意する。
②惹きつけを重視する場合には、情報提供(会社・事業・組織・求人背景・ミッション)が中心の構成となる。

60分と仮定すると(例)

①見極めを重視する場合:
経歴確認20分、構造化質問15分、ケース質問15分、質疑応答10分

②惹きつけを重視する場合:
会社求人説明30分、経歴確認15分、質疑応答15分

STAR面接(構造化面接手法)

Situation(状況)、Task(担当)、Action(行動)、Result(結果)
過去の行動を掘り下げる質問手法です。過去経歴の中で、特に今回の求人に関連する事案を選び、状況ー担当ー行動ー結果のプロセスを確認します。
辻褄が合わなくなる場合は、経歴詐称か、論理性の欠如が確認できます。
また、入社後に同じ状況ー担当の際、どのような行動を取るのかが把握できます。
なお、構造化質問の最後に「その結果の評価」を質問してください。結果から何を学んだのか?また行動を振り返り改善できるのか?が確認できます。

なんで?なんで?質問

意思決定・行動に対する深堀する質問手法で、行動規範や志向性が確認できます。
一般的には転職理由や、転職先を選ぶ基準、希望するキャリアパス(キャリアプラン)を質問し、回答に対してWhyを繰り返すことで、その人材の要求の本質が追求できます。
最終的には、お金、名誉・地位、自由裁量、他者からの承認、などいくつかのカテゴリーに類型可能であり、モチベーションの源泉が把握可能です。
モチベーション源泉を把握すると惹きつけの確度がぐっと上がります。

ケース質問

具体的に現在課題となっている事案を例に出し「あなたが当事者であれば、どのような行動で解決策を見出すのか?」という質問です。課題解決能力を確認します。
なお、この時に重要なのは、質問に対する回答だけではなく、回答に必要な補足質問です。敢えてケース説明の中で意思決定に必要なクリティカルな情報を外し、その回答を求める質問が来た場合は、非常に筋の良い人材、当該事業を理解している人材であり、入社後も想定範囲内のパフォーマンスが期待できます。

 

総じて面接はセンスというより技術です。どの様な手法があるのかを理解し、目的に添ってストーリーを作り実行すると大外れすることはありません。
また採用力が何らかの理由で劣る場合(推し出せるメリットがそんなにない)は、面接における技術をフル活用することで、無理筋の中で勝機を見出しタレントを確保し、「朱に交われば赤くなる」を実現できるかもしれません。

三上 俊輔

著者情報:
三上 俊輔

2006年、早稲田大学法学部(専攻労働法)を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社であるサーチファーム・ジャパン株式会社に入社。柔硬幅広い業界の部門長クラス以上の経営者獲得、スペシャリスト(エンジニア、会計士など)採用を実現。 2011年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略及び技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアス設立、代表取締役就任。 理論と実践のギャップを埋め、健全なる雇用環境の発展に微力ながら貢献すべく、スカウトその他様々なプロジェクトを戦略的に遂行している。

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