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「介護男子」「ヘルプマン」で介護現場のイメージアップへ

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 安倍政権は「一億総活躍社会」実現のため、保育や介護対策を拡充するという。両業界とも人手不足で、簡単な話ではない。特に介護分野は高齢者の虐待事件が起きるなど暗い話題が先行し、人材難が深刻とされる。しかし今、介護の現場では、人材確保へ向けこれまでのイメージを覆すような様々な取り組みが始まっている。
若い男性介護士がおばあちゃんの手を引いて歩く。二人は笑顔で、男性はなかなかのイケメンだ。
こんな介護現場の写真を集め、識者による介護についての論考も交えた書籍「介護男子スタディーズ」が今秋、出版された。初版1万2000部はほぼ売り切れたという。
特別養護老人ホームなどを運営する全国20の社会福祉法人が集まった企画したプロジェクトだ。
(日本経済新聞 12月6日)

数年前、宅配便ドライバーの人材獲得策としてイケメンを起用して「佐川男子」と銘打ったイメージアップ作戦が展開された。当時取材したある社会福祉法人の女性理事長は人手不足対策の目途が立たず、お手上げ状態だった。
「介護市場の将来性や介護職の社会的意義をいくら強調しても、学生の心には響きません。いっそのこと佐川男子みたいに、イケメンを集めて“介護男子”というイメージアップキャンペーンを、業界を挙げて行なえばおもしろいかもしれませんね」。

上記のニュースは、まさにこの理事長のアイデアと同じである。一定の成果を上げるだろうし、期待もしたい。だが、いざ就職して「こんなはずじゃなかった」と落胆し、離職者が続くことが心配だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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