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社会人の退職理由、トップは「薄給」 若手は「やりたい仕事じゃない」多数

ビジネスパーソンが退職を考えた理由は「給与の低さ」が39%でトップ――エン・ジャパンの調査でこんな結果が出た。2位は「やりがい・達成感を感じない」(36%)、3位は「企業の将来性に疑問を感じた」(35%)だった。
以下、「人間関係が悪かった」(27%)、「残業、休日出勤など拘束時間が長かった」(26%)、「評価・人事制度に不満があった」(25%)と続いた。一方、「結婚など家庭の事情」(14%)などは少数派だった。
年代別にみると、25歳以下では「やりたい仕事ではなかった」と答えた人が突出して多かった。退職を考えた経験がある若手からは「説明会では学生時代の勉強を生かせると言われたが、実際は異なる仕事を任されミスマッチだと感じた」「会社は目の前の利益ばかり追求していると思った」――といった意見が出た。
26~34歳では「自分の成長が止まった」、35歳以上では「評価・人事制度に不満があった」との答えが多かった。(ITmedia NEWS 4月17日)

退職理由のトップに「給与の低さ」がランクされたのは、数年来の賃上げラッシュに追いついていない企業が多いからなのか。それとも長時間過重労働に給与が見合わないと判断したのだろうか。

辞められた企業は、どのぐらいの給与水準なら辞めないのかを知りたいだろうが、知ったところで支払い能力がなければ、いまの水準から引き上げることはできない。

ある日用品卸売会社の社長は、給与を理由に部長職に辞められてしまったが、あきらめる以外になかったと打ち明けた。
「その部長は40歳で、うちでは年俸650万円を支払っていました。給与に不満があることはわかっていましたが、うちの体力では、これ以上は支払えません。転職先では年俸800万円だそうです。この金額を聞いて、引き留めようがありませんでしたね」

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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