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パソナグループ傘下のキャプラン決算、利益66百万円


元伊藤忠子会社で2012年1月にパソナの子会社となったキャプランの売却後の決算公告を確認しました。
キャプランは私の前職のサーチファーム・ジャパンがMBOした相手方の会社であり、私が新卒で入社した6年前は創業者の横倉馨さんをはじめとした人材業界創世記の面々と交流もあったので、買収された際には色々と感慨深いものがありました。

<以下キャプラン沿革>

1982年 1月 (株)キャリアプランニングセンター設立
1986年 10月 (株)エイブルスタッフ設立
1998年 10月 (株)キャリアプランニングセンターと(株)エイブルスタッフ合併、社名(株)キャリアプラザとなる
1999年 4月 (株)伊藤忠アカデミーから教育研修事業譲受
2000年 10月 センチュリー・スタッフ(株)と合併
2002年 1月 社名 キャプラン株式会社となる
2008年 1月 (株)リッチフィールド、キャプランテクノス(株)と合併
2009年 10月 (株)JALビジネス、JALアカデミー(株)と合併
2012年 3月 (株)パソナグループが株主となる

1982年創業ということは、テンプスタッフ(1973年)、パソナグループ(1976年)、アデコジャパン(1985年)に並ぶ人材業界最古参の1社です。
当時は民営人材紹介事業はまだまだ認知されておらず、また職安法絡みの見解の違いが解決されていなかった時代です。そもそもビジネスを成立させていくために大きな障壁があり、民紹協の会長だった横倉さんからは大変な苦労があったことも伺いました。

キャプランはJALショックの際に企業研修(マナー・接遇)で一定の評価のあったJALアカデミーも買収しています。私は伊藤忠宇宙情報本部も人材業界にまだファイティングポーズ取っているのかな?と考えていたのですが、リーマンショック後の復活が遅れ、昨年ついにパソナに手放すことになりました。

<キャプラン 決算公告>

売却前の売上が140億程度、当期純利益が6000万円程度でしたので、一先ず同水準で着地のようです。
基本的には伊藤忠グループ向けの派遣業がメインと思いますので、一定の安定感はあるようです。
但し人材紹介は縮小、エグゼクティブサーチはMBOで分社、OP事業は閉鎖ということで、外販能力は随分下がっています。
そのため、伊藤忠アカウントが欲しかったパソナからすると、機能の重なるキャプランのバックオフィスは当然として、事業部もパソナ本体の派遣事業部にアカウント移管すればよいので、かなりの合理化が進んでいる(もう完了した?)ような気もします。

同じようなスキームでリクルートスタッフィングが三菱グループアカウント取得のために買収したメイツグループは、リクルートにアカウント移管後は早期退職を含めて速やかに事業部門の方々は合理化対象になっています。キャプランーパソナでも同様の状況が生まれているように思われます。

これまで人材業界の未上場企業の決算情報は誰も調べたりしていなかったので、今後はこちらの領域も少しずつ追いかけたいと思います。

三上 俊輔

著者情報:
三上 俊輔

2006年、早稲田大学法学部(専攻労働法)を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社であるサーチファーム・ジャパン株式会社に入社。柔硬幅広い業界の部門長クラス以上の経営者獲得、スペシャリスト(エンジニア、会計士など)採用を実現。 2011年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略及び技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアス設立、代表取締役就任。 理論と実践のギャップを埋め、健全なる雇用環境の発展に微力ながら貢献すべく、スカウトその他様々なプロジェクトを戦略的に遂行している。

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