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失業手当、最大395円上げ=雇い止め対策は5年延長

厚生労働省が2017年度に実施する雇用保険制度改革案の全容が29日、明らかになった。
最低賃金の引き上げを踏まえ、失業手当を1日当たり最大395円増額する。有期雇用契
約が更新されない「雇い止め」の離職者を対象とする失業手当の拡充措置は17~21年度の5年間延長し、給付日数(従来最長150日)を倒産・解雇の離職者と同じく最長330日とする。

改革案は12月2日に開く労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会に提示。最終調整を経て、来年の通常国会に関連法改正案を提出する。
年齢によって異なる失業手当の最高額(現在6370~7775円)を、315~395円増の6685~8170円に増額。週20時間働くパートらが対象の最低額(1832円)は、136円増の1968円に引き上げる。最高額の引き上げは2年ぶり、最低額は6年ぶりとなる。
(時事通信 11月29日) 

失業手当の給付日数を延ばしてほしいと望んでいるのは40代以降の失業者だろう。思うような転職先が見つからず、元システム開発会社部長がハローワークで相談したら「介護職員初任者研修を受けて、介護施設に就職したらどうだろうか」と助言されたという。この元部長は「畑違いなので断わりました。48歳の私が就職しても邪魔になるだけで、嫌がられるでしょう?」と判断し、人材派遣会社に職を得た。

いくら就職先の少ない中年の失業者でも、介護職への転身はハイリスクだろう。だが、北関東で施設を展開する社会福祉法人の理事長は「職員の法定人数をクリアするには、このキャリアではどうかな?と思う人でも、雇わざるえないのです」と打ち明ける。
ハローワーク相談員の助言は、けっして突飛な提案ではなく、介護業界の窮状を汲み入れた現実的な提案だったのだ。

この元部長が人材派遣会社に採用されるまで、失業から1年近くを要した。ぎりぎりのタイミングだった。一般論だが、1年も仕事から離れると、全身から生気が抜けてしまったような雰囲気に変わり、この人といっしょに働こうという印象はもってもらいにくい。(終わった人)に見えてしまうのだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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