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未経験者対象に介護職の就職セミナー 東京都大田区が開催

東京都大田区は12日、未経験者などを対象にした介護職の就職セミナーを始める。介護現場の現状や働く職員の体験談などをわかりやすく説明し、介護職に就くきっかけにしてもらう。区は4月から介護の就職相談・面接会を始めている。

介護就職セミナーは12日から今年度内に計5回開く。対象は介護職の資格がない未経験者と、資格を持つ未経験者、介護の離職者。ビデオを使いながら、高齢者人口の動向といった背景から現場の声まで説明する。
(日本経済新聞 9月8日)

介護人材の最大の供給源は福祉系専門学校だが、全国平均を見ると学生数の定員割れが起きて久しく、ITや会計学科を開設して、経営の帳尻を合わせている例も少なくない。介護業界への人材供給力も相当に弱まってしまったのだ。では福祉系大学はどうか。

福祉経営コンサルタントによると「産業界全体が人手不足になったことで、介護業界以外に就職するようになってしまいました。給与水準が低いだけでなく、仕事のイメージも良くないのでしょう。親が介護業界への就職に反対することが多いんです。親に強硬に反対されたらね…」。福祉系大学も供給源をして期待できなければ、お手上げ状態になってしまうのではないのか。

外国人の雇用も話題になっているが、EPA(経済連携協定)でフィリピン、インドネシア、ベトナムから介護福祉士をめざす人材を受け入れている趣旨は、日本で資格を取得させて専門職として育成し、いずれ母国の医療福祉の発展に貢献してもらうことである。人手不足対策として受け入れているのではない。

だが介護業界にとっては、人材の国際交流どころではない。補充できるのならEPAを利用しない手はないと、全体の受け入れ人数は右肩上がりで増えている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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