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「勤務間インターバル」導入企業に助成金 厚労省方針

厚生労働省は26日、仕事を終えてから次の始業までに一定時間の休息を入れる「勤務間インターバル」制度を導入した中小企業に、助成金を支給する方針を明らかにした。休息時間を確保することで労働の質を高め、生産性を高める狙い。2017年度予算の概算要求に約4億円を計上した。

勤務間インターバルの助成金は、既存の中小企業向け「職場意識改善助成金」を拡充し、新たなコースを設ける。この助成金は就業規則の作成や社員への研修、周知徹底などの取り組みが対象。
勤務間インターバルの徹底が達成されれば、50万円を上限に対象経費の4分の3を補助する方針だ。

実際に、勤務終了から次の勤務開始まで何時間以上空けることを条件とするかは調整中。欧州連合(EU)の場合は、24時間につき最低連続11時間の勤務間インターバルを規定。全ての加盟国に義務づけている。
(SankeiBiz 8月27日)

働き方改革をキーワードに就労環境の改善が進められてゆくが、休息時間の設定は義務付ければよいのであって、助成金の支給対象にするような課題ではないだろう。むしろ罰則規定を設けたほうが周知徹底しやすいはずだ。
勤務間に一定時間の休息を与えないとしたら、紛れもなくブラック認定すべきであり、労働基準監督署の指導に面従腹背の実態がつづくようなら、社名を公表して反省と改善を求めればよい。

中小企業にとって、使い勝手のよい助成金制度はありがたいが、助成金を目当てに施策を実行するのは本末転倒で、申請と報告手続きの手間を考えれば、ごく一部にすぎないだろう。よもや助成金措置が、行政権の拡大に利用されていることはあるまいが…。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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